ユニーのドンキ化に対応せよ

アピタ金沢ベイの業態変換

 ドン・キホーテがユニーを買収したのは2018の大きなニュースだった。ユニーの既存店舗は徐々にディスカウントストアー業態に転換されつつある。奇しくも金沢にはアピタとドンキが向かい合わせで店舗を構える「アピタタウン金沢ベイ」がある。アピタの食品売場はドンキ化を進め、ドンキの店内にあった生鮮売り場は撤廃される方向らしい。

高級志向だったユニーが変わる

 ユニーはアピタやピアゴといったGMS店舗を運営する総合スーパーで、比較的高級な生鮮食品を品揃える印象が強かった。安かろう悪かろうの提案よりも、付加価値のある食材の方が受け入れやすかった。ドン・キホーテの品揃えが「悪かろう」というつもりはないが、ディスカウントショップである以上、価格を最優先する仕入れ・販売に変化していくのは不可避であろう。

納入業者も頭の切り替えが必要

 納入する業者としては、今までのユニーと同じスタンスで商品提案を行っても通用しないと考えるべきだ。規模が規模である。大きな産地から大きなロットでものを動かす。そのスケールメリットを価格設定に反映させる。少量多品目のやり方から大量多品目への転換か。産地も品目も洗い直す必要が出てくる。こちらがそれに対応できなければ、即ベンダー交代という憂き目に会う。

チャンスにすべし

 ドン・キホーテばかりでない。クスリのアオキやスギ薬局といったドラッグ業界の出店攻勢はまだまだ衰えない。食品スーパーも明暗はあるにせよ、元気印の会社は一歩もひかない。これは我が中間流通業にとってチャンスなのかピンチなのか。おそらくマスの視点ではピンチだ。跳ね飛ばされる業者が増大する。だが我社にとってはチャンスだ、と断言できるようにしなければならぬ。競争が激化すればするほど、各社は協力なベンダーを必要とする。それに選ばれるかどうかというシンプルな戦いだ。