新しい流れ
青果育種研究会事務局の阿比留みど里さんが「気がつけば新しい流れ」と題するコラムを送って下さった。日本の野菜生産・流通の新しい潮流を紹介している。消費者に宅配で野菜を届けることで成長する企業・農業法人がたくさん出てきている。その多くは有機栽培や特別栽培(いわゆる無農薬や減農薬など)といった付加価値を掲げ、ネット販売を中心に生産現場から直接購入者に送る形をとり、多くは市場外流通となる。
農業の新しい担い手には高学歴が多い
これら新鋭の経営者に共通する点は、高学歴の若者であり、IT関係やコンサルティングファームを経験しての起業が多いことだ。エリート色が強い。いわゆる農家の息子、JAがらみといった農業畑ではない出自が目立つ。以下に阿比留さんが挙げた例を引用させていただく。
「オイシックス」高島宏平代表 東京大学工学部卒、マッキンゼー出身、2000年創業。
「坂ノ途中」小野邦彦代表 京都大学総合人間学部卒、外資系金融機関 2009年起業
「食べチョク」代表は20代女性、DeNA出身、2016年創業。
「ポケマル」「東北食べる通信」高橋博之代表、2015年新展開
農業にはエリートが飛び込む魅力がある
阿比留さんは次のように分析する。高学歴で然るべき企業にいた若者が、そこを辞めて飛び込んでくるだけの魅力が農業の世界にある。彼らは最初は数件の契約農家から始まるが、やがて何十倍にも数を増やす。農家の担い手不足という話ばかり聞こえるが、実は日本中に担い手(或はそのたまご)はたくさんいるということだ。それだけの数の有機栽培、無農薬栽培、減農薬栽培農家が実は存在しているのに、農協や市場関係者は彼らを放置していたのだ。
卸売市場にとっても新しいチャンスだ
耳が痛い話だが、まったくその通りと言わざるを得ない。だが、今までのその盲目状態を認めた上で、これからはむしろチャンス到来と捉えたい。卸売市場は彼らにとって有力な販路となることをぜひ伝えなければ。今後、市場流通は彼らとタイアップして新しいビジネスを構築する。それだけの機能を卸売市場は持っていると信じる。
阿比留さんがリストアップしてくれた新鋭の企業・農業法人・組合リストを掲載する。(阿比留さんにはまだ了解は取っておらず無断掲載だがきっと許して下さるだろうW。)
オイシックス・ラ・大地「オイシックス」
オイシックス・ラ・大地「大地の会」
オイシックス・ラ・大地「らでぃっしゅぼーや」
ビビットガーデン「食べチョク」
ポケットマルシェ「ポケマル」
坂ノ途中「坂ノ途中」
HeartFull「ゴヒイキ」
TEN NANA「マミーズストア」
WINCLE「フレッシュファースト」
ココノミ「ココノミ」
ビオ・マーケット「ビオ・マルシェ」
ミレー「無農薬野菜のミレー」
プロップスジャパン「地球人倶楽部イエコック」
楽天農業「楽天ファーム」
自然農法販売協力機構「おーがにっくがーでん」
ナチュラルハーモニー「ナチュラルハーモニー」
コープデリ生活協同組合連合会「co-opdeli」
パルシステム生活協同組合連合会「パルシステム」
生活クラブ事業連合生活協同組合連合会「生活クラブ」
生活協同組合ユーコープ「おうちCO-OP」