金沢農業大学の支援チームに就任

金沢農業大学支援チーム

 このたび私は、「金沢農業大学」の支援チームの一員に名を連ねることになった。金沢市が運営するこの人材養成機関は、金沢の農業にとって、かつ、わが市場流通にとって、将来的に大きな意味を持つと思っている。開設以来、今日までで約15年の実績を積んできたが、僭越ながらまだ真価を発揮できていないと思う。ここから育つ新規就農者が、未来の地域農業の中核になる可能性がある。そのために、流通代表として、いくらでも力になる所存だ。

金沢農業大学とは

 金沢農業大学は、金沢市の農業の担い手を育成するため、平成18年3月に金沢市が開設した公的機関だ。これまでに110人超がここで農業を学び、担い手として巣立った。生徒は10代から60代まで幅広い年齢層にまたがっている。大学といっても立派な校舎があるわけではない。拠点は金沢市が運営する農業研究施設「金沢市農業センター」だ。ここで2年間のカリキュラムをこなす。特に、金沢市のブランドである「加賀野菜」の栽培に力を入れ、プロの農業者を要請する。

研修内容

 具体的には、栽培技術の講義、実習、営農計画のノウハウ、市場見学、篤農家からの特別指導など。年間100日程度はこうしたカリキュラムで消化され、自分が育て上げた収穫物は「金沢市農業センター」が荷主となって金沢市中央卸売市場に出荷。わが社がせりで販売する。
 これだけ至れり尽くせりの内容を享受できて、研修費用はなんと無料である。農作業で着る雨合羽、長靴、軍手は個人負担だが、その程度は当たり前だろう。逆にそれ以外はすべて無償で貸与されるというから手厚いと思う。研修期間中の傷害保険も、市が一括で加入するのだそうだ。

終了生の現状

 終了生110名超のうち、現在も専業又は兼業で農業を続けている人は8割弱だそうだ。多いともいえるが、2割強も断念してしまったと言える。農業は技術を身につけるのも大変だが、独り立ちして経営・生活を維持していくことがさらに大変であるという証だ。だから、現在の農業大学は現役研修生1、2年生への教育もさることながら、終了生に対するフォローアップを重点課題に置いている。

我が社そして私自身の存在意義

 我が社及び私自身が大いに気張るべきはまさにそこだ。大学を終了し巣立っていく人材の一番頼りになる販路、または販売アドバイザーにならなければならない。私自身は栽培技術をまったく持ち合わせていない。あくまでも流通側の人間に徹し、彼らが農業従事者として充実した一生を過ごせるよう、力にならなければいけない。それは我が社の存在目的そのものである。