■週の概況 第20週 5/10(月)~ 5/15(土)
【全体】
GWの動きを振り返ると、前半は人手も多く青果物販売はまずまず活発だったが、後半は早々に帰途に就く観光客が目立ち、消費も失速した感がある。その流れを受け、GW明けは残念ながら荷動きの悪さが顕著である。石川県のコロナ感染も過去最多を更新する日々で、時短営業の早期解除は望めず。外食業務筋は更に厳しい環境だ。
この週の産地状況は、概ね順調な見通しである。野菜も果実も1週間前後の早期スタート・早期切り上がりを見せる品目が多い傾向で、前段産地も後続産地も同様な傾向であることから大きな端境は生じず、結果として順調な入荷となる。前倒し傾向は、3月までの気温が高く、開花が例年より早かったことが理由に考えられる。今後出てくる夏果実にもこの影響は出るだろう。この週はラッキョウ、梅などが季節商材として登場し、果実では温室ぶどうが始まる。
【野菜】
葉茎洋菜類では、レタスが兵庫産の終盤に差し掛かり入荷は減少傾向へ。キャベツは降雨の影響で前週から一転して上げ基調が見込まれる。白菜は茨城産と長野産の切り替わりが遅れ、端境の可能性。菜類では水菜の若干の品薄感が見られる。
果菜類は、胡瓜、ナス、長ナスは各産地潤沢な入荷だ。トマトも県内産のJA物の入荷が増加傾向にあり販売拡大が見込まれる。豆類ではJA小松市の千石豆が微増し、そら豆、いんげん、砂糖えんどうなど種類も増加傾向となる。
根菜類は、人参は岐阜産の入荷が例年より早くスタートし、徳島産は終盤。筍はJA金沢市の入荷も終わり、例年になく少ない量でのフィニッシュとなった。らっきょうは高知産が徐々に増加となる見込み。梅が週末から翌週頭にかけ始まる。
【果実】
国内果実では、メロン類・スイカがメイン。メロンは茨城産メインにアンデス系、赤肉系の入荷で愛知のイエローキングもピークを迎える。アールス系は静岡産の入荷が少なく堅調だ。スイカは大玉傾向で数量増が見込まれるが、西日本の梅雨の状況次第で今後の展開は不透明である。施設物では、和歌山産の桃が目新しい。天候次第で、ぶどうも山梨産をメインに入荷がスタートする。桜桃は引き続き安定した入荷となるだろう。
国外果実では、バナナは保合で価格推移するが、慢性的な入船の遅れも影響し、徐々に強含みとなる。アメリカンチェリーは前年より豊作傾向で早生種の入荷。NZ産キウイは、ゴールド、グリーン共に安定した入荷が続く。シトラス系、アボガドも安定した入荷が見込まれている。