買付比率と利益の相関

臨時の販売会議

 本日、臨時で社内販売会議を開いた。4月~6月の第一四半期が終わり、4月はまずまず、5月はぱっとせず、6月ダメダメ…と段々と販売環境が厳しくなっている。会社としては利益確保に難儀している状況だ。今のうちに軌道修正し、巻き返しをはかるべし。

実績向上のためのメッセージ

 社員に対して単にがんばれ、もっと売れ、では解決にならない。ただの精神論になる。分析と対策を打ち出すのが管理職の務めだ。私は次のように指摘した。「買付比率が高まっている。これは数量に関して目標達成しようとする表れで、否定はしない。ただし、いつも通りに売っていると、利益が減ることを知っておかなければならない。委託で踏ん張れるところを安易に自己買受に逃げてはいないか。在庫を抱えながらの毎日で即日完売ができていないのではないか、在庫を残さないためにもっと先売りのアクションを増やさなければいけないのではないか」。

買付と利益の関係

 少しでもかめつく売上や利益を残そうと思ったら、ぎりぎりの高値で先手先手に動くことが必須となる。後手に回るから在庫が残り、買い付けた商品の利益率を落として販売せざるをえなくなる。かつて卸売市場流通はほとんどが生産者から委託で預かったものを販売し、定率手数料をいただいていた。しかし、集荷がままならなくなるにつれて買付比率が増加した。我が社では今や全体入荷数量の半分以上が買付集荷だ。10年前は「買付が4割に達すると卸売会社は赤字に転落する」と言われたものだ。それをゆうに超えてしまっている。手数料商売から差益商売に転換しなければ、本当に赤字経営になる時代だ。

妥協・惰性との闘い

 がめつく数字を残すには、利益感覚をしっかり意識しなければならない。これでいいや、と思ってしまうと簡単に買付集荷し、売れる相場で販売するルーティーン業務に陥る。それではおそらく今の時代の卸売業は立ち行かない。これでいいや、という思いを集団が持たないためには、相互でのチェック体制と動機づけの弛まぬ繰り返しである。これを徹底できるかどうかが勝つ組織か負ける組織化の分岐点となろう。