青果物の週間情報 【2021-W28】

■週の概況 第28週 7/5(月)~ 7/10(土)

【全体】

 大筋の見方としては、青果物の収穫量・流通量は全国的に順調潤沢であり、家庭菜園も豊作傾向であることから、需給バランスは供給過剰で市況は下押しとなるだろう。昨年同時期は天候不良により野菜が高騰したが、今季は順当ならば真逆の展開になる。ただし直近で、東日本の太平洋側を中心に非常に激しい雨が降る予報であり、もしこれが災害級になれば流通が一変する可能性をはらんでいる。このあたりは天気次第といったところ。
 消費面では、7月に入って気温高かつ湿度高が顕著になり、一般野菜の動きが鈍っている。朝晩も暑く、ムシムシしており、煮炊き商材は消費が低迷する。反対に大葉やミョウガなど香辛薬味野菜は需要が伸びる。果実では主役の地物スイカの品薄感があるが、不安定ながらも徐々に回復するだろう。高松と金沢のデラウエアは順調。石川産アールスメロンがこの週より始まる。

【野菜】

 葉茎洋菜類では、ブロッコリーは北海道産が出揃い販売拡大が可能となる。長野産のレタスや白菜は、産地での出荷調整が続き価格の浮上が見込まれる。菜類では、ほうれん草が岐阜産や高冷地物に切り替わり価格の底上げを見せる。菌茸類では、少量ながら中国産の松茸が始まる。
 果菜類では、太平洋側がメインのトマトやミニトマトが降雨により減少となる。胡瓜は福島産主体に安定。枝豆は各産地まとまった量となるものの、値ごろ感が出るにはまだ時間がかかるだろう。ピーマンは高知産、北海道産からの入荷で潤沢だ。とうもろこしは中旬頃より長野産がスタートする。
 根菜類では、大根は北海道産となり、平年並みの入荷が見込まれる。人参は青森産が順調で拡販が可能。潤沢だったごぼうは、翌週よりピークも過ぎ徐々に減少に転じる。長芋は需要期と出荷量の少なさから価格は底上げとなる見込みだ。季節商材のずいきは県内産JAからの出荷がスタートする。

【果実】

 国内果実では、メロン類は愛知産も終了し山形産の入荷となる。アールス系では、石川産がスタートする。スイカは大玉、小玉共に不安定な入荷が続きそうだが徐々に回復の見通し。デラウェアは県内産を中心に順調だ。ぶどう類では山梨産、岡山産のシャインマスカット、ピオーネが入る。桜桃は紅秀峰が中心品種だが、不作の為数量は少ない。
 国外果実では、バナナは安定した入荷が見込まれる。シトラス系では、オレンジはアメリカ産に加え、オーストラリア産がスタートする。マンゴーは台湾産主体。アメリカ産チェリーは熱波の影響が懸念されるが、7月上旬は安定した数量が見込まれる。