年に一度の総会
本日、「令和2年度 青果部取引協議会定例総会」ならびに「令和2年度
やさい・くだもの消費促進協議会定例総会」が開催された。長い名前だ。そらで言える者はこの世で私だけだ。「青果部…」は市場内における青果物の取引ルールを決める機関であり、「やさい…」は市場全体で取り組む食育活動を行っていく機関である。それぞれ、卸売会社(当社)、仲卸組合、小売組合、開設者(金沢市)で組織されている。現状、私が両協議会の会長を仰せつかっている。
小売組合理事からの指摘
「青果部…」では、小売組合の代表者から次のような意見が出た。
①最近、特に果実で仕入れにくい商品がある。現場に行っても商品がなく、仲卸に聞いてもないと言われる。これは改善してほしい。
⇒もしそれが本当なら由々しき事態だ。市場に来られて、仕入れに難があるなど絶対にあってはいけない。今期の石川県産スイカなど、シーズン最初が思いのほか数量少なく、各小売店さんに行き届かなかった品目がある。多分、ご不満はこれを指しているのだと思う。しかし、それならせめて告知が行き届いていなければならない。情報伝達が不十分だったならばそれは卸売会社の責任だ。各部署に徹底しなければならない。
②地物のデラウエアの初せりが新聞で報道された際、卸値が見出しで記述された。それを見て消費者から、「新聞に価格が載っているのに、この店ではこんなに高い値段で売っているのか」とクレームが相次いだ。新聞に卸値がバンと出ると、小売商はやりにくい。あの報道の仕方はなんとかならないのか。
⇒困っているお気持ちはとてもよくわかる。小売商は卸値に利益を付加して消費者に販売する。しかしその卸値が新聞など影響力の強い媒体で報道されると、あたかもその値段で消費者が買えるような〝錯覚〟を与えてしまう。メディア側も間違った情報を流しているわけではないし、卸売相場は公表の義務もある。したがって、卸値を書くな!と強くいうことはできない。これはもう本当に、記者の書き方次第なのだ。ただ、こちらからは上記の事情を説明し、消費者が誤解を生まないような書きぶりに帰社を〝教育〟していくことは必要と考える。
③へた紫なすのように、生産者が一人しか残っていない品目を今後どうやって振興していくか。
⇒非常に重要な指摘である。会社・市場・農協・行政が一体となって取り組んでいかねばならない。過去の反省点としては、危機的な担い手不足に対して放置してきた時代があった。そのつけが今来ている。近年ようやく各関係者がこのままではいかんと腰を上げ始めた。まずは担い手の育成が必要。そして、流通側は、それが継続できるだけの価格で買い支えなければ、という強い意志がいる。