青果物の週間情報 【2021-W29】

■週の概況 第29週 7/12(月)~ 7/17(土)

【全体】

 昨年の7月と8月が異常に高い年だったため、今は比較的安値の印象がある。実際、前週までは全国的に入荷が順調で、野菜は平年よりも若干安値の弱市況で展開した。しかし、太平洋側および山陰地方を中心に大雨が降った影響で、今後は総体的に出回り量は抑えられ、相場は保合もしくは堅調に推移する見込みだ。さらにその翌週は五輪特措法による4連休が控えるため、価格はだれることなく維持されると思われる。
 果実は平年より前倒しの出荷が目立つ。桃の品種リレーは2週間ほど前倒しで、すでに白鳳系がピーク期を迎える。今は量が豊富だが、この先旧盆に向けての数量確保に黄色信号が灯りそうだ。一方で西瓜はようやく出荷が本格化し、不足感が解消されると思われる。初荷情報としては、現時点で曜日は未確定ながら、ルビーロマン初出荷をこの週末に行う目標で生産者が準備をしている。

【野菜】

 葉茎洋菜類では、ブロッコリーは北海道産が潤沢な入荷となり値ごろ感がある。アスパラは県内産、九州産地が増量し、弱含みだ。逆にレタスは長雨で数量は減少し、価格は急騰する気配あり。菜類はほうれん草、小松菜が梅雨の影響で品質に注意が必要。季節商材の赤しそは県内産の入荷が終盤を迎える。
 果菜類では、太胡瓜が終盤に差し掛かり減少。低迷していたキュウリは、市況がやや回復し平年並みに近づく見込みだ。トマトはまとまった量の入荷され、価格は安値に振れるだろう。枝豆は岐阜産を主体に安定した入荷となる。ナスは群馬が梅雨の為、不安定な入荷となる。全体に雨の影響で品質は要注意だ。
 根菜類では、季節商材のずいきは県内産JAからの安定した入荷となる。大根は北海道産主体、人参は青森産主体で両品目安定した入荷となる。ごぼうは数量の減少に伴い隔日の入荷へと切り替わるが、一年間続いた異常高値は終息したので、それなりに動きが出ると思われる。

【果実】

 国内果実では、スイカは大玉、小玉共にピークを迎え徐々に増加。ようやく末端まで石川県産が行き届くことになるだろう。県内産デラウェアは順調である。金曜か土曜にルビーロマンが初入荷となる。ぶどう類では、山梨産の巨峰もスタートする。桃は例年より2週間早いペースで白鳳が最盛期を迎える。数量の確保に苦戦している山形産メロンは、徐々に回復する見込みだ。
 国外果実では、アメリカ産チェリーが米国の熱波の影響で入荷に不安定感がある。マンゴーは台湾産からメキシコ産に切り替わる。シトラス系では、ペルー産のみかんが珍しい。バナナ、キウイは安定した入荷が見込まれます。