加賀野菜と金沢そだち
本日8月5日、地元金沢の特産農産物2品目が出荷スタートした。ともにJA金沢市のもので、〝加賀野菜〟「加賀れんこん」と〝金沢そだち〟の梨「幸水」である。
加賀れんこん
加賀れんこんは「加賀野菜」のエース的存在だ。小坂地区が昔からの産地で、「鍬掘り」と呼ばれる掘り方で生産される。河北潟では「水堀り」と呼ばれる掘り方だ。鍬掘りは泥付きのまま流通するのが特徴だが、昔に比べれば泥の量は少なくなった気がする。
れんこん栽培にもいろいろな方法があって、ハウス栽培モノはしばらく前から出荷が始まっている。しかしその作り手は少なく量も少量であるから、個人出荷として市場では荷受け・販売をする。その後に出てくるのがトンネル栽培モノだ。この栽培の担い手は少なからずいるから、いわゆる共販体制で、複数の生産者が寄って部会組織となっての販売となる。本日は、いわゆる露地栽培モノのスタート日である。露地のスタート=本格的な出荷スタートだ。消費者にとっては栽培による区別はわからないだろうが、生産側と流通側ではこの基準で区分しており、例年8月上旬に加賀れんこんの初出荷として認識している。
幸水と品種リレー
梨は「金沢そだち」という地域ブランドに認定している品目だ。例年、7月後半より「新水」が始まり、8月上旬の「幸水」でピークを迎え、秋口に「豊水」、「あきづき」へと品種リレーする。近年は「加賀しずく」という高級ギフト梨も開発した。昨年、梨は大不作で、一番需要の高くなる盆休みにほとんど供給量がなかった。今季は昨年よりも量があると思われるが、例年に比べればやはり少ない作況のようだ。お隣の大産地・富山県の呉羽の梨はさらにひどく、平年の6割作という不作傾向が伝えられている。温暖化の影響か何なのか。近年は出荷の時期が大きくずれたり、量の大小が激しくなって果実は不安定感が増している。青果物の流通は年々難しくなっていると言えるだろう。
おごそかにシーズンスタート
例年であれば、地元の目玉商材の初荷となれば、生産者代表、農協代表、行政らが集まりトップセールスが行われる。しかし、今月2日からまん延防止等重点措置が適用されたこともあり、静かな初売りを迎えた。セレモニーは一切なし。お忍びで、山野之義金沢市長がご来場されていた。華々しいお祝いを自粛するムードの中でも、せっかくの初出荷を見届けてあげたいという思いだったのだろう。加賀れんこん、梨のシーズンが好調に推移するよう、出荷を受けて販売する側も精一杯努めたい。