加賀野菜「五郎島金時」の初せり
本日、加賀野菜の4番バッター的存在、JA金沢市のさつまいもの販売が始まった。金沢市の粟崎(あわがさき)・五郎島・大野の砂丘地で農業を営む39戸の生産者から生み出されるさつまいもがいわゆる「五郎島金時」だ。今から10月までは掘りたてを出荷。それ以降はキュアリング貯蔵という特殊貯蔵技術によって来年5月まで長期出荷となる。
ルーツを示す〝ちょんまげ姿〟
初せりにあたり、JA金沢市五郎島さつまいも部会の酒栄(さかえ)優次部会長が〝ちょんまげ姿〟のかつらをかぶって登場された。部会長の名誉のために説明するが、これは決して悪ふざけではない。五郎島金時の発祥は、元禄年間に五郎島村の太郎右衛門(たろうえもん)が薩摩から種芋を持ち帰ったことに由来する。その際、関所を通るのに種芋をちょんまげに隠したとの逸話がある。ちょんまげ部分に茶色く見えるのは、さつまいもだ。このかつらは酒栄部会長手作りの作で、五郎島金時のルーツをこの〝ヅラ〟一発で示すものであり、〝初心に帰れ!〟というメッセージを込めたものである!!…との部会長の説明だった。が、見ればどうしても笑いがこみ上げてしまう。いやいやだからこそ面白い。ユーモアと心意気は並び立つのだ。
山野市長連投。〝こんな時だからこそ!〟
昨日の金沢トマト初荷に続き、本日も山野市長が来場された。そしてこれまた昨日同様、〝こんな時だからこそ、安全安心でおいしい金沢の食を市場から発信していこう!〟と力強く宣言された。
酒栄部会長のユーモア精神
酒栄部会長はさらに「キンメダルはかじっちゃだめだけど、キントキは大いにかじってほしい!」と、某炎上市長をパロッて五郎島金時を山野市長にかじってくれと強要(笑)。山野市長は「こんなことして大丈夫かな」と苦笑いを浮かべ大いに弱りながらも口元にさつまいもを持っていかれた。酒栄さんはユーモア精神溢れる方だ。しかもハートが熱い。さつまいもの販売環境が悪い時は、どうすれば価格が維持されるか、どう展開すれば部会員をまとめあげられるかを常に市場側と膝詰めで相談に来られる。難しい時代にはユーモアとパッションを両方持ち合わせるリーダーが必要だ。市場側もその思いにしっかりと応えなければならない。