青果物の週間情報 【2021-W35】

■週の概況 第35週 8/23(月)~ 8/28(金)

【全体】

 猛暑による高温干ばつ、そして前週までの大雨・長雨で野菜の生育には大きく負荷がかかっており、生産状況は一転。今後は品薄の品目が多くなり、野菜の相場は安値低迷から抜け出す方向にある。いち早く反応し、前週に価格を大きく跳ね上げたのはキュウリだが、今後は他の野菜も追随するように強気配となるだろう。8月31日の〝野菜の日〟をめがけ、各小売店で企画が入っているので、特にこの週は値動きに注意が必要だ。ただ、まん防措置の延長で業務用・外食向け商材は依然として厳しい環境が続く。
 消費面でも変化が見られる。朝晩が涼しくなり、煮炊き商材への関心が高まってきた。特に大根、人参の動きが良くなっている。さつまいもの引き合いも好調で、加賀野菜の五郎島金時の出荷開始と相まって良好な販売環境になりそう。反対に生姜やサラダ野菜など暑さで需要が高まる品目は、やや鈍くなるようだ。

【野菜】

 葉茎洋菜類では、ブロッコリーは高値疲れから下げ基調に転じる。反対に、レタス、白菜は産地での調整が入り、数量少なくこちらは上げ基調となる見込みだ。
 果菜類では、胡瓜は、天候は安定してきたが、数量の回復までには至らず堅調な価格推移となる模様。太胡瓜は終盤に差し掛かり減少傾向に向かう。とうもろこしは北海道の高温、干ばつにより不安定な入荷となり注意が必要だ。
 根菜類では、大根は徐々に入荷量の回復が見込まれる。人参は少なかった太物が増加する見込みだが、引き合いは強く価格は上げです。青森産のかぶらは降雨と台風の影響から大幅な入荷量の減少となり、翌週以降も数量と価格動向には注意が必だ。ばれいしょ、玉ねぎは依然として小玉傾向が続き東北以北の産地状況は、厳しい見込みである。県内商材では、れんこんは順調な入荷が見込まれる。21日(土)よりスタートした甘藷は不作だった前年と比較して、順調な入荷となるだろう。

【果実】

 国内果実では、梨は加賀しずくの入荷がスタートする。県内産の幸水は今月いっぱいがめどとなる。ルビーロマンは安定した入荷が続く。ぶどう類では、シャインマスカットは山梨産主体となり安定した数量となる。巨峰は山梨産に加え、長野産の入荷。長野産は先般の降雨の被害もなく安定した物量が見込まれる。メロンは静岡産、北海道産が中心だが、静岡産は高温から大玉傾向と正品率の低下が見られる。北海道産は安定した入荷となり、価格は下げ基調となるだろう。
 国外果実では、キウイフルーツはゴールド系の大玉サイズに不足感が出る。