昨日行ってきた「加賀野菜レアベジスイーツ」の12店の中で、お話を聞けたものを3品ご紹介する。
1.ホリタ205「赤ずいきとローストココナッツのアイスクリーム」
「ホリタ205」は青果専門店の(株)堀他が運営するパーラーで、野田山墓地近くというあり得ない立地にありながら、大人気の行列店である。店長の二股さんは、このパーラーを切り盛りするためにヘッドハンティングされた。今回、赤ずいきを食材に選ぶにあたっては、他の店が先行していて、へた紫なすをチョイスする店が多いと聞いたので、人気薄だった赤ずいきをあえて選んだとのこと。スイーツは赤ずいきから抽出したエキスをココナッツアイスに練りこんだもので、赤ずいきの姿は確認できないが、風味にはちゃんと反映されている。それにしても、お皿半分に何か載るのだろうか?と思わせる配置だが、これがおしゃれなんだそうだ。
2.マレ・ドール「びっくりへた紫なす」
本当にその姿にびっくりだ。え?なす?実は中身はピューレ・コンポート状にしたへた紫なすをレモンとチーズでムースにし、外側をチョコレートでコーティングしたものだ。これは造形の面でも芸術品であり、スイーツとしてもとてもおいしかった。お店では単品として売るとのことだが、1個700円もするこのスイーツを中身もわからず買う人は相当のチャレンジャーだ。むしろ、レストランのコース料理で、最後のデザートとして出てくれば、お客は最後に大きな感動を覚えることだろう。
3.エンゼル「加賀つるまめのマドレーヌ」
このお店はこの一品に限らず、その足跡がグレートだ。加賀野菜を使ったお菓子はもう随分前から手掛けられている。他の11店は今回の企画が初めてだが、こちらは年期が入っている。とっくの昔に全15品目網羅である。つまり、いつも作られているものをこの日もそのまま持ってこられたのだ。テーマの「加賀つるまめ」の他にもなす、赤ずいきをちゃんと並べられていた。それぞれ1個180円。安い!現店長の裏野剣一さんは、まだお若いのに、地物野菜への見識と愛情が半端なかった。金沢にはすごい人がいるものである。
総評
他の9作品も素晴らしい意欲作だった。地元農家にとっての野菜作りの励みになってほしいし、また、せっかく開発して下さったのだから、紹介されたスイーツがたくさんの市民に食べられ人気を博することを願う。(それにしても、本日の朝刊の取り上げ方は小さくてだいぶ不満だが…)