河北潟農場で草刈り

河北潟農場閉園

 「ファーム菜四季(さいしき)」は、我が社の子会社である。石川県の河北潟と穴水に自社農場を構え、南瓜を中心に野菜を生産している。残念ながら、このうちの河北潟農場がこのぬたび閉園することになった。

穴水農場は事業継続

 農業を黒字経営化するのは極めて難しい。それは設立当初から覚悟の上だったが、河北潟は土・水・人すべてにおいて条件が厳しく、このまま継続しても黒字化のメドは立たないと判断した。能登の穴水農場は健在で、むしろこれからが事業の本番だ。南瓜の契約的栽培が軸にあり、アスパラ栽培についても地元農協とタイアップしての事業が推進中である。

草刈り体験

 河北潟農場は借地である。夏に南瓜を収穫した畑は、雑草がかなり伸びていた。借りた地面を返す際は、きれいにしてお返しするのが礼儀。農業にど素人の私だが、農場長に教えてもらい、生まれて初めて草刈機に乗って1時間ほど草を刈った。草刈機を操作しながらいろんなことを考えた。

草刈りしながらの雑感

 昔は草刈りもすべて人力だった。その労働の重さたるや想像を絶する。そして機械開発のなんと偉大なことか。つい先日、刈ったばかりの地がもうこんなに草が生えている。植物の生命力のなんと底強いことか。まして品質の良い野菜を計画通りに作り上げることのなんと難しいことか。今日は涼しく快適だったが、あの灼熱の炎天下、農場のメンバー達はよくぞ毎日耐え続けたものだ。頭が下がる。草刈りマシンに乗って、一直線に草を刈っていくのは、一直線に進むことだけに集中し、雑念がいつの間にか消えていく。これ、メディテーション(瞑想)になってるな…などたわいのないことも含めあれこれ思いをめぐらした。

さらば河北潟農場、そして今後に向けて

 ど素人が最後に出てきてほんの少し草を刈っただけだが、わたしとしては立つ鳥跡を濁さずの思いで、役員の端くれとして少し手伝わせてもらった。
 河北潟農場は金沢市における弊社の農業参入初めて地であり、思い入れは強かった。心情的にはとても残念で、寂しく、悔しいものがある。だが、この経験を必ず今後に活かし、穴水農場の発展に活かしたい。