自民党総裁選決着

岸田勝利、河野敗北

 自民党総裁選が決着した。決選投票で岸田文雄が河野一郎を下し、新総裁に就任した。レース前半戦は下馬評で河野が優勢だった。知名度、人気、突破力があるとされ、一次投票で過半数を取ってしまうのではないかと言われた。しかし結果は河野大敗。確かに全国の党員からの得票は多かったが、議員票では岸田・高市に次ぐ3位だった。岸田・河野の決選投票は高市陣営が岸田側に付いたために大差で岸田勝ち。下馬評一位の河野太郎はこうして敗れた。

メディア VS ネット

 今回は、表の情報たるメディア(新聞、テレビなど)と裏の情報たるネットで人気や評価が極端に分かれていたのが面白かった。メディアでは河野がダントツ人気であり、ネットでは高市早苗が圧倒的な支持を得た。このギャップは何だろう?一説によれば、メディアはリベラル層が牛耳っており、対中対韓政策で融和的な河野に〝勝たせたい〟という意思が働いていた。逆に保守系はネットで論をはっており、最も保守色の強い高市早苗を推した。

最後は御大のパワーゲーム

 左の河野対右の高市。結果はなんとその間にいた岸田の勝利に終わった。メディア対ネットの主導権争いは痛み分けといったところだ。勝敗を分けたのは、メディアとネットのせめぎ合いではなく、安倍・麻生・二階ら裏の実力者たちのパワーゲームだった。安倍が勝ち、二階は権威を失った。

河野人気に疑問

 私にとって不思議だった点。河野氏は本当に国民に人気があったのか。あったのなら、その魅力は何か?人気があるとされる根拠はあるのか?確かに一次投票における党員票は1位だったが、岸田・高市の合計数には及ばない。実はメディアが〝人気がある〟と煽っていただけではないか?そして小石河連合(小泉進次郎、石破茂、河野太郎)と呼ばれた人気政治家3名の結託は、結果的には選挙戦でプラスに作用しなかったのではないか。

評価できるオンライン政策論争

 私にとって良かった点。政策論争が濃密に展開されたこと。特にオンラインで4日間に渡って開催された「国民の声に応える政策討論会」は有意義だった。この中で繰り広げられた答弁によって各候補者たちのポリシー・実力を計ることができた。これからの時代の政治家は、勉強不足も話ベタもダメである。主義主張に中身があって、発信力が備わっていなければ勝ち抜けない。これは世の中にいい変化をもたらすだろう。

岸田政権に期待

 岸田政権が間もなく発足し、すぐに解散総選挙に移って、またもや組閣が変わるだろう。岸田新総裁には、ぜひとも政治公約を果敢に実現し、日本の未来を守っていただきたい。