河北潟農場全面一人で草刈り決行
河北潟農場については9月14日に書いた通りである。だが最後の最後、もう一度関わることになった。借りていた土地をお返しするにあたり、本当に最後の畑のお掃除=草刈りをしたのだ。農場長が諸々の雑事で多忙だったので、私は畑全面の草刈りを請けおった。朝8時から昼3時30分まで、面積は4.6ヘクタール。延々と一人、草刈り機を乗り回して刈りまくった。
死ぬかと思った
途中、畑の中に深く掘ってあった水はけ用の溝に気づかず、草刈り機が横転しそうになった。死ぬかと思った。衝撃でエンジンがストップし、マシンを破壊してしまったと思った。ど素人が下手に手を出したばっかりに、とんでもない失敗を最後にしでかしたと思った。だが、農機具とは強いものだ。しばらく休ませるとまた何事もなかったかのように動き出してくれた。
ぐるぐる回る
広く四角い平らな畑の草を刈る場合、↑↓↑↓のように往復を繰り返すのではなく、↑→↓←のように四角形の4辺をなぞるように刈っていく。だから最初は畑の大外、長~い長い直線を刈るのだが、1周回るたびに刈った幅の分だけ四角形の辺が短くなって行く。何周も何周もするとどんどん短くなっていくのがわかる。後半にいくほど1週の距離が短くなるので、ペースが早まっていくように感じる。それがなんとも嬉しい。
鷹との闘い
何か餌になるのか、鷹が何十羽と畑に舞い降りてくる。私のものすごく近くに飛んでくるので襲われないかと怖い。そして行く手にたたずんで、私の進路をさえぎる。草刈り機が爆音を上げて近づけばたいがい羽ばたいて逃げるが、中にはスリルを味わうつもりか、轢かれる寸前まで逃げないヤツがいる。挑発的だ。なんせ草刈り機は刃が猛回転しているので、少しでも鷹が触れれば刃に巻き込まれ、あえなく鶏肉のミンチになる。そんな惨事は嫌なので、私のほうが折れてチキンレースから降りる。つまり、ちょっと止まってどいてくれるのを待つ。なんで俺様が鷹に気を使わねばならんのだ。
さらば河北潟農場
さすがに全面の草刈りが終わったときは達成感があった。悲しい達成感だ。一つの事業から撤退する残念な作業ではあったが、私なりにけじめをつけた。さらば河北潟農場。うまくいかないことが多かったが、それもまた経験。必ずいつかどこかで何かが実を結ぶと思っている。