書評:澁谷弘利著「心に青春を」

澁谷弘利氏の自叙伝

 先日他界された澁谷工業代表取締役 澁谷弘利氏の著書「心に青春を~夢は大きく足元は盤石に~」を再読した。2014年(平成26年)6月に北國新聞社から発刊された書だ。氏の生い立ちから経営者として達成した数々の偉業、人生哲学まで著されている。

サインから感じる〝心〟

 発刊されてまもなく本書にサインしていただく機会を得た。本当に丁寧に、ゆっくりと書いてくださった。ああ、上下の差別なく、人に心を込めて接するとはこういうことなのだと教えられた気がした。

言葉に偽りなし

 本書は、タイトルが「心に青春を」、副題が「夢は大きく 足元は盤石に」、帯には「常に明るく前向きで」とある。私は氏をほんの少ししか知らないが、本当にその通りの方だったと思う。

本書の中でハッとさせられた言葉

・軍隊的規律と創造的自立の共存
・トップは財務のプロであれ
・少し突っ込んで勉強すればそこそこのエキスパートになれる
・いつも明るくニコニコしていよう
下にいくほど表現がやわらかいが、いずれの言葉も、借り物ではなく、自身の人生経験から導き出した確信に基づいている。澁谷氏こそ100%実践に裏付けされた理念で生きてこられた方だ。

備忘録

本書は冒頭に以下のことばが披露されている。
記録しておく。

青春とは心の若さである 信念と希望に溢れ 勇気に満ちて 日に新たな活動を続けるかぎり 青春は永遠に その人のものにある
(サミュエル・ウルマンの詩を松下幸之助がアレンジしたもの)