人参が低迷
今、野菜は芋玉(じゃがいもと玉葱)を除いて全面安だ。特に人参の低迷がひどい。人参は北海道十勝産がようやく切り上がる時期になったが、各市場で大量の在庫を抱えていて、この低迷はしばらく尾を引きそうだ。
野菜のサイズは洋服と同じ
その在庫の8割が「2L」という、太く大きいサイズだ。SやMが極端に少なく、2Lが圧倒的に多い。野菜は、洋服のサイズの感覚とだいたい合っていて、Sは小さい、MとLが普通サイズ、2Lは大きい、と思って間違いない。3L以上の規格がある野菜はまれだ。
2Lの持つ意味
だいたい、この「2L」が現場で目につくようになると、その野菜は〝売れなくて余ってるな〟というサインになる。売れが鈍くなって相場が下がると、出荷者側は量を絞りたくなる。需要と供給のバランスで、供給量が減ると相場が上がるからだ。量を絞るということは、収穫を積極的にしないということ。つまり、いつもより余計に土や樹に成らしておくということだ。だから、余計に実は太る。実が太ると、少ない個数で1箱作れてしまうから、箱数はますます増えることになる。売れが鈍いところに結局大量の箱が押し寄せることになり、供給過多がひどくなって相場は一層下落する。つまり、2Lが目立つのは負のスパイラルに陥っていることを示している。
青果物ならではの難しさ
大きいことはいいことだ、とは限らないのが青果物の難しいところだ。工業製品とは違い、サイズも数も品質も、日々刻々と変化する。なるべく、2Lに至らないうちに収穫⇒流通⇒消費のサイクルに乗せたいのだが、なかなかこれといった解決策はなく、市場の販売担当者は常に頭を悩ましているのである。