青果物の週間情報 【2021-W44】

■週の概況 第44週 10/25(月)~ 10/30(土)

【全体】

 もともと10月後半から11月は野菜が売れ悩む時期だが、特に今年は低迷しており、全体としては平年比3割安となっている。今月前半の気温が高く生育は順調だったのに対し、煮炊き需要の不振で消費が鈍かったためだ。ここ最近は急に冷え込んで、今までとは正反対に、数量減・需要増から単価が底上げする品目もあるにはあるが、回復は限定的で今後も軟調な相場は続きそうだ。
 一方、コロナ感染がかなり収まってきて、人々が外に出る気運が戻って来た。団体行動はまだ皆無なので規模は小さいものの、少人数での会食等は活発に。したがって、業務需要は小口×件数のアップが見られる。
 果実では極早生の在庫がまだかなりあり、早めに食味の良い早生にスイッチしたいところ。りんごは依然として長野産が不作で高値感あり。柿は、石川県能登地方で霜害+炭疽病で収量減が予想されており、個人物や12月からのころ柿の不作が懸念される。

【野菜】

 葉茎洋菜類では、レタスは入荷数量が減少し価格は上がる見込みだ。ブロッコリーは産地の低温により、数量の減少が予想される。キャベツは主力産地の群馬産の減少の影響から価格は上がるだろう。菜類はほうれん草、水菜は全国的な需要の高まりから入荷量は微減、価格も底上げが見込まれる。白菜は茨城産が潤沢な入荷。ねぎは埼玉産、県内産より安定した数量が期待できる。きのこ類では椎茸、えのき、しめじは入荷も安定し、価格については前年並みの推移となるだろう。
 果菜類では、胡瓜は各産地ピークも過ぎ価格は上げが見込まれる。トマトは愛知産主体の入荷。低温の影響から数量は減少傾向、価格は上げに向かう。ピーマンは高知産に加えて鹿児島産の入荷。潤沢な数量で価格も平年より安値基調である。茄子は前年を下回る価格で底上げが見込まれる。妻物類では、まん延防止の解除もあり、外食需要の高まりが見られる。
 根菜類では、大根は源助大根を中心に安定した入荷となるだろう。寒さの影響からおでん需要が高まり、荷動きは好調となる。人参は北海道産メインに太物中心の入荷。前年より安値で数量の拡大を図りたい。かぶは県内産の個人物が増加傾向だ。ごぼうは青森産より潤沢な入荷が続く。玉葱は小玉傾向と数量が減少し、価格は続伸となる。

【果実】

 国内果実では、みかんが福岡産は早生品種、長崎産は極早生品種の入荷だ。福岡産の早生は例年より前倒しの出荷動向となっている。柿は、岐阜産、和歌山産、奈良産に加え、高松より紋平柿が29日からスタートする。平年と比べて若干少ない数量の見込みだ。また、能登産の個人物は、霜の影響から入荷量は少ない。ぶどう類では、長野産の巨峰が冷え込みで減りこむ模様だ。
 国外果実では、入船の遅延もなく、各品目で安定した入荷。価格も保合での推移が見込まれる。