青果物の週間情報 【2021-W46】

■週の概況 第46週 11/8(月)~ 11/13(土)

【全体】

 毎年11月第2週以降、石川県の食の関心は蟹一色になる。特に今年は〝輝〟ブランドがスタートし、ルビーロマンに比肩するご祝儀相場が出るかもしれなし。反面、青果物の業界は残念ながら静かになり、動きが止ってしまうのが例年のパターンだ。ただ、今季はコロナが収まって人々の外出ムードは高まっており、業務野菜を中心に回復傾向が見られる。また、この週は冷え込みがきつくなり、煮炊き商材の需要が高まる。特にきのこ類は面白味があり、質・量ともに回復を見せた地物の松茸がこの週も続く。さらに原木なめこ、しばたけなど自然きのこ類もそれなりに量が出回るだろう。
 果実は早生種のみかんを中心にりんご・柿が定番品ながら、りんごは長野県産の不作で全体的に市況を押し上げ、地物の柿は霜害や炭疽病の影響から数量の大きな減少が目立っている。

【野菜】

葉茎洋菜類では、ブロッコリーは県内産を主体に価格は下げに向かう。キャベツは、茨城産と愛知産の生育遅れから数量が伸びず、価格は底上げするだろう。菜類では、ほうれん草は産地切り替わりで安定した入荷となり、価格の一段下げを見る。アスパラはメキシコ産からの潤沢な入荷が続く。菌茸類では、えのきは単価安だったが需要の高まりから価格が底上げするだろう。
 果菜類では、トマトは数量が回復するが、愛知産は前年を下回る入荷となる。ピーマンは高知産、鹿児島産の潤沢な数量と安値基調から売場の拡大が期待できる。大葉や茗荷等は飲食店等の業務需要増加の影響もあり堅調な価格推移が予想される。
 根菜類では、大根は千葉みどりからの入荷がスタートし、肥大良好で安定した数量が期待できるのに加え、県内では志賀町からの入荷を見る。源助大根は、播種の狭間も終わり数量は回復する見込みだ。かぶはJA金沢市から、人参は小松市からの入荷が始まる。ごぼうは青森産の秋堀物がピークを迎え潤沢な数量が期待できる。反対に、たまねぎは数量が少なく高値推移が続きそう。季節商材の百合根は小玉傾向ながらも安定した入荷となる。

【果実】

 国内果実では、みかんは、福岡産、長崎産を主体に愛媛産より安定した数量が見込まれる。柿は能登地区のさわし柿で霜害が出ており、前年を若干下回る量だ。反対に、高松紋平柿は潤沢な入荷が続く。苺は愛知産の章姫がスタート。前年と比較して前倒し傾向での入荷となる。巨峰、シャインマスカットは長野産が終盤の為、数量は減少し価格は上げに転じる。その他のぶどう類では、岡山産のコールマン、紫苑を入荷する。
 国外果実では、アメリカ産の赤系、緑系のぶどうの需要が高まっているが、生育遅れから数量の確保が厳しい。その他の品目は安定しており、価格は保合が予想される。