破天荒な監督誕生
新庄剛志が日本ハムの監督になり、話題を振りまいている。自分のことを「監督」ではなく「ビッグ・ボス」と呼ばせる。練習のたびにファッションショーのような派手は出で立ちで登場する。グランドにワゴン車を入れてその上に乗り、バットをかざしてその高さより低く強い球を投げさせる。スター選手が育つまではエースナンバー「1」を自分の背番号にする。ウケ狙いのようだが、あながちそれだけとは思えない。ちゃんとチーム作りや人材育成のポリシーに根ざしたショーマンシップ。その精神が、開幕後の選手のパフォーマンスに現れてくるところが見たい。
エンターテインメント性あふれるプロ魂
監督の役割は、試合に勝って優勝できる強いチームを作るあげることだ。だがもっと根源的に、プロスポーツとはファンを楽しませることが目的だ。最強無敗だがつまらない試合ばかりのチームと、全敗最下位だがエキサイティングな面白い試合をするチームでは、後者のほうが存在意義がある。エンターテインメントに必要なのは意外性、驚き、そして感動だ。新庄監督の何をしでかすか分からない魅力はワクワク感でいっぱいだ。あっと驚く新庄抜擢はさすが日本ハムだ。ペナントレース開幕後、大いに感動させてもらいたい。来年はパ・リーグが本当に楽しみである。