物流会社と意見交換
名古屋を拠点とする運送会社の方が情報交換に来られた。卸売市場と運送業界は切っても切れない関係にあり、青果物流通における物流は昨今かなりひっ迫した状況にあるため。こちらとしても真剣に意見交換の場に臨ませてもらった。
もらう側が負担する物流コスト
従来、産地から市場への青果物配送は、産地側で運送会社を手配し、産地側で運賃負担をするのが慣例である。しかし、近年のドライバー不足や物流の集約化の流れで、市場へ運ぶ便が手配できない事態が頻発してきた。〝そちらが車を手配して運転負担してくれるか、中継基地の○○市場までは運ぶのでそこから引き取ってもらうか、もしくは取り引きをお休みするか〟を迫られるケースが増えている。
市場間ネットワークの必要性
取り引きのお休み⇒取り引きの停止につながり、市場にとっては大きな問題だ。最近は、大きな卸売市場は、中継基地としての役割も担っている。市場間をネットワークでつないで、過不足を融通し合う発想だ。取引する双方のどちらがどういう物流手段を使って便を仕立てるかが問われる。
求められる多機能化
来社された運送会社の方によれば、今や運送会社は荷物を運ぶだけでなく、ピッキングや分荷作業もこなし、センター機能として一時保管設備(冷蔵倉庫)を設けなくては選ばれる企業になれない時代になったとのことだ。これは卸売市場自体もまったく同じである。ハブ機能を担える市場とそこから荷物をもらうだけの市場の格差が拡大している。卸売会社は物流会社とのタイアップを強化して、365日の安定した稼働を確保しなければならない。昔に比べて、市場流通は本当に複層化している。それに対応できない市場は退場するはめになろう。物流網の構築は、卸売市場存続の大いなる鍵である。