第50回ふじ与会

お客様を招いて

 本日、端唄 藤本流 ふじ与会の第50回お浚い会が開催された。前回はコロナ禍により無観客での開催だったが、この記念すべき節目の会は、約40人のご招待客を前にしてのお披露目会となった。

50回という業績

 年2回の発表会で25年間続けてきた会である。草創と守成、何れが難き。この言葉はこういう活動にもあてはまる。草創すなわち立ち上げよりも、守成すなわち守り続けることの方が大きな困難を伴う。50回の積み重ねはものすごい。会主の藤本秀佳代先生には心よりの敬意と祝意を捧げたい。

親しみやすさと自由さ、しかして厳しい

 この会、この先生が素晴らしいのは、いい意味での敷居の低さと親近感が感じられることだ。私でもできるかも、と聞く人を感じさせる。それでいて生徒さんたちはとてもまじめで、秀佳代先生も出来に関しては厳しい。硬軟のバランスがとても心地よい。以前も書いたが、この手の和楽は、出演者の知人友人がお義理で鑑賞に来ることが多いが、この会のお客は心から楽しみにして来られている。知っている曲であれば、思わず客席からも口ずさむ声が聞こえる。端唄、俗曲は江戸、明治、大正の時代に親しまれてきた庶民の曲だ。その面白みは現代の日本人にもしっかり響くのである。

スタッフとして全神経を使う

 私はお浚い会当日は完全にスタッフ集中である。裏方として舞台の座布団の位置合わせ、マイクや譜面台のセッティングと進行に全神経を使う。自分の唄や演奏の出来不出来は正直どうでもよい。会がすみやかに始まり、つつがなく進行し、無事に終了することが何よりの望みだ。この習い事を続けるにあたっての費用はそれなりにかかるが、それほどでもない。大人の趣味としてはとても良い。その価値がわかるのか、やめる生徒さんも少ないし、徐々にまた仲間が増えてきている。ついに男性の新たな希望者も登場し、黒一点だった私の立場もどうやら今回限りのようだ。

無事終了

 50回記念お浚い回は無事に終演を迎えた。大変後味の良い、楽しい会だった。