女芸人No.1決定戦 THE W 2021:レビュー

女芸人の層は薄い

 2017年から始まった女性のお笑い芸人日本一を決める大会も今回で5回目を数える。放送は日本テレビ系列だ。テレビ用のお笑いコンテストはM-1グランプリ(テレビ朝日系列)、キングオブコント(TBS系列)、R-1グランプリ(フジテレビ系列)がメジャーであり、その順に格付けが高いイメージがある。「THE W」はそれらと比べ格落ちと思う。男女差別の意味ではなく、純粋に笑いのレベルが低い。〝女芸人はおもろない〟は間違いだが〝女芸人は層が薄い〟という現状を認めざるを得ない。

番組構成力は反省材料多々有り

 格の低さは、MCや審査員のメンバー、番組の構成にも表れる。「THE W」は3時間の枠で、これは明らかに長過ぎる。内容が伴っていないから冗漫でテンポが悪い。芸人のプロフィールビデオはやけに尺が長く、1回1回の勝敗判定も間延び感がある。審査員のコメントは的を得ていないものが多い。視聴者にとってこの3時間は苦痛であり、録画で飛ばしながら1時間程度で観るのが適している。

Aマッソが素晴らしい!

 第5回大会、優勝はオダウエダだった。笑いのツボは人それぞれだから、けなす気はない。ただわたし的には、ダントツでAマッソが面白く、またうまいと感じた。2本目で披露したプロジェクションマッピングを使ったネタは、キングオブ…で勝負しても十分通用するレベルだった。向かって右がツッコミでネタ作りもしている加納。3時のヒロイン・福田麻貴とともに若手女性芸人の宝と思う。

第5回大会結論

 SNS上では今回の裁定をめぐって炎上しているようだ。審査が妥当だったかはともかく、Aマッソがメジャーの実力を持つに至ったと確認できたことに喜ぼう。