観光都市金沢を裏返せば

産業の本来の力とは

 昨日の投稿とは逆の見地から、観光都市金沢について考える。観光で街が賑わうのはありがたい。しかし、観光業がなければ潤わない街とは、裏を返せば物を作ってそれを売るという、産業本来の力が足りないことを意味するに他ならない。

モノ作りこそ経済の力

 コンサルタントの古川英夫氏のメールマガジンに以下の下りがある。〝過去の栄光にすがりつくのは植民地を失ったヨーロッパの国々の末路ともいえる。ましてカジノという博打で儲けようとするのは自分達の弱さをさらけ出すようなものだ。経済成長の源は製造業、地道な技術開発に基ずくモノ作りにあることを忘れてはいけない。〟

わが仕事に矜持を持て

 一理あり。たかがコロナで観光立県は吹っ飛ぶ。〝虚業〟と言うと叱られるが、観光業は人々の心の余剰があって初めて需要が生じるものだ。真に発展するには、物を作り、物を売らなければならない。その点、わが業界は、物を作りこそしていないが、人が生きるのに不可欠な食材を全国から寄せてきて売るのが生業だ。ここに矜持を抱いてしかるべきなのである。