福祉施設寄贈と「のとてまり」初せりの考察

福祉施設へ恒例の寄贈

 昨日17日、卸三社(丸果石川中央青果、石川中央魚市、ウロコ水産)による福祉施設寄贈式が執り行われた。金沢市中央卸売市場が開設(昭和41年)以来毎年行っている恒例行事だ。今回でなんと56回目となる。金沢市にある34の福祉施設の人々に、よいクリスマス、お正月を迎えていただきたいと食品を贈っている。寄贈の際、当社大西社長から「福祉施設の方々に寄贈を続けることは卸売会社にとっても励みです」と挨拶し、施設代表の方からも「毎年皆でああまたこの季節だねと喜び合っている」とコメントされた。

のとてまり26万円

 本日18日、原木シイタケ「のとてまり」の初せりが行われ、プレミアム6玉が昨年同額の26万円で競り落とされた。買人は仲卸の片山青果で、行き先は東京都千代田区にある「天ぷら 天源」に納品される。この天ぷら屋さんは、原木シイタケ「のと115」の存在を知り、7年前から天ぷらの具材として使い続けてくださっているそうだ。ブランド農産物のご祝儀相場については、何人かの生産者の方々から「良かった。正直今年は勢いがつかない結果になると思っていた」という声を聞いた。生産者にとって初せりの結果は、生産のモチベーションになるのである。

もしかしたらと変化を想像してみる

 双方の話題ともに素晴らしいことには間違いない。何かをやり続けることはとても貴重だ。だが一方で、このままでよいのかと考え、新しい可能性を探る姿勢も必要である。施設への寄贈については、56年間、青果はバナナとみかん、水産はビタミンちくわとエビフライを贈り続けている。もしかしたら冷凍大学いもとキウイ、カニカマと牡蠣フライの方が子供らは好きかもしれない。ブランドのご祝儀相場よりも、もっとPRできてシーズンを通し生産意欲が湧くようなイベントがありえるかもしれない。

時代の曲がり角

 なんでもコロナのせいにはできないが、コロナ前とコロナ後で、人々の価値観に変化が現れる。今までは踏襲するのが当たり前だったことでも、止めてみたり、変えてみたりすることで新しいことに気づいたりする。今はその曲がり角に来ているように感じる今日このごろ。