青果物の週間情報 【2021-W52】

■週の概況 第52週 12/20(月)~ 12/25(土)

【全体】

 冷え込みがきつくなるため数量は伸びず、クリスマス・年末商戦真っただ中に入ることと相まって、青果物は否応がなく値が上がっていく。ただし12月上中旬の野菜は、芋玉などを除き潤沢安値感が強く、この週は全体に底上げとなるもそれほど高騰するイメージはない。消費面では寒さが厳しくなり、煮炊き用野菜の動きが良くなる。ダイコン・人参は長期的に廉価が続き、量をさばきたいところだ。
 果実はミカンのだぶつき感と、その他品目の高値が対照的だ。いちごはクリスマスに向け最も需要が増すタイミングだが、寒波の影響が未だ定かでなく、需給バランスは不透明だ。晩柑類は例年並みに出回っているが、相場は堅調に推移する。ギフト系の温室果実は、燃油高により加温にブレーキがかかるが、大きな数量減は年明け以降と思われ、年末分の数量確保に支障はなさそうだ。

【野菜】

 葉茎洋菜類では、ブロッコリー、レタスは産地の冷え込みの影響から数量は減少し、価格は上がる見込みだ。キャベツも同様に、底上げが予想される。ほうれん草、小松菜は年末需要から前年より高値推移が見込まれる。アスパラは需要の高まりから価格は上昇するだろう。菌茸類では、初せりで話題となった「のとてまり」の原木椎茸「のと115」が、品質も良くなり徐々に増加する見込みだ。
 果菜類では、胡瓜は寒波による数量の減少が懸念され、堅調な価格推移が予想される。反対に、キセラインゲンは前年を上回る入荷から、価格は一段下がるだろう。春菊やみつばは、数量は安定して入るが、需要が高まり価格は上げる。トマト、ミニトマトは重油高の影響から前年より少ない入荷状況が続く。
 根菜類では、大根、人参は主要産地からの安定した入荷が見込まれるが、年末年始の需要の高まりから、価格の底上げが予想される。れんこんも同様に上げに向かう。馬鈴薯、玉葱は依然として高値推移が続く。季節商材では、くわいは終盤となり減少するだろう。

【果実】

 国内果実では、苺は愛知産、福岡産、長崎産から前年並みの入荷だが、クリスマス需要から価格は上がる見込み。みかんは貯蔵品に切り替わり、数量は徐々に増加するだろう。メロンは静岡産を中心にギフト需要から前年より高値での推移が見込まれる。柿は福岡産の冷蔵柿が入荷中。これまでの生柿の産地と同様、今年度は少ない数量となりそう。その他、鹿児島産、熊本産のデコポン、金柑、洋梨が入荷中だ。
 国外果実では、バナナはフィリピン産については入船の遅れが若干見られ注意が必要である。マンゴーはオーストラリア産、ペルー産に切り替わりる。シトラス、パイナップル等は前年並みの入荷となり、保合での価格推移となるだろう。