青果物の週間情報 【2021-W53】

■週の概況 第53週 12/20(月)~ 12/29(水)

【全体】

 年内最後のタイミングで襲来する寒波がどう影響するか。年末年始の懸念材料はここにつきる。もちろん何事もなく穏やかに年を越す可能性は大。収穫についても、ハウス物はあまり問題ないだろう。ただし、露地物は畑の積雪・凍結の具合で激減する可能性も否定できない。加えて、物流の混乱が起こるかどうかは全くの未知数だ。雪で幹線道路がマヒすると状況は一変する。寒波襲来のタイミングからいって、29日の止市以降、イチゴなど休日対応品目こそ要注意だ。

 この時季、市況がじりじり上がっていくのは例年のパターンで今年も同様である。もともと不作で少なかった品目は別として、現時点で大きくひっ迫しそうなものは見当たらないが、年の瀬になってせり・三つ葉・蓮根・大葉などが不足しモガくことは寒波も相まって十分に起こり得ることだ。

【野菜】

 葉茎洋菜類では、レタス、ブロッコリーは産地の低温により、数量減少し価格は続伸するだろう。キャベツは降雪の影響から強含みが予想される。ねぎは需要の高まりから高値推移となる。ほうれん草、小松菜は福岡産の入荷で引き合い強く価格は上げに向かう。

 果菜類では、胡瓜は寒波による減少が予想され、上げ基調が見込まれる。トマト、ミニトマトの数量は前年を下回り、依然高値推移が続く。反対に、ピーマンは主要産地から安定した入荷となり価格は前年より安値推移となる。キセラインゲンは高知産、鹿児島産より潤沢な入荷が期待できる。三つ葉は年末年始の需要から値が上昇するだろう。

 根菜類では、大根は千葉産を主体に安定した数量が見込まれる。かぶらは県内産からだが品薄となり高値推移が予想される。ごぼうは青森産が潤沢な入荷となり、前年より安値となる。蓮根は安定した数量だが需要の高まりから価格は一段上がるだろう。馬鈴薯、玉葱は高値推移が続く。季節商材では、鹿児島産の筍が入荷となる。。

【果物】

 国内果実では、苺はクリスマス需要の落ち着きに伴い、価格は一段落する。みかんは福岡産、長崎産より晩成種が安定した数量となる。その他に柑橘類では、デコポンが鹿児島産、熊本産を主体に入荷となる。前年と比較して数量は少なく、単価高での推移が予想される。金柑は鹿児島産、宮崎産の入荷。季節商材では、県内産のJA志賀ころ柿はあと1回の販売で年内は終了となります。

 国外果実では、フィリピン産バナナは現地での台風の影響から品質面で劣化が多発しそう。シトラスでは、イスラエル産グレープフルーツが入るものの数量少なく高値推移が見込まれる。その他の品目については概ね安定した入荷となる。