水産部が26日(日曜日)に開市した件

12月26日に水産部のみ開市

 一昨日12月26日の日曜日、金沢市中央卸売市場では、青果部は休市とし、水産部は開市とした。俗に言う〝片肺〟である。片肺は年に数度ある。お客さんからの評判は悪い。野菜も魚も両方取り扱っている業者さんからすれば、片方だけの営業が不便なのは当然だ。だが、卸売業者には片肺にならざるを得ない事情がある。東京や大阪の巨大市場で片肺が起きれば、金沢のような中規模市場もひきずられる。東京の青果部が休みなのに、金沢が無理に開いても、肝心の荷物が集まらないのだ。

年内最終週でも青果は休んだ

 永年、12月最終週の日曜日は開市だった。世間は年末年始に1週間近く連休になるため、直前の日曜日は市場を開けないと小売業者の仕入れに支障が出るという判断だ。ところが近年、働き方改革で、お休みはできるだけきちんと取ろうという風潮が強くなった。そして今年はついに青果部門が最終日曜日を休みと決めたのである。

評価が低い水産開市

 水産部は日曜日に開市してどうだったか。関係者の方に聞いたところ「パッとしなかった、休めばよかった」という感想が大半であった。来場するお客さんが少ない、出荷を休むメーカーさんが多い、青果が休んでいるので相乗効果が見込めない、などが主な理由である。

同じ過ちを繰り返す?

 片肺の場合、たいがいはあとになって、開いた方が「やっぱり休めばよかった」と後悔しがちである。営業しても仕事がパッとしなければ開く意味がない。休市は商売にメリハリを与える意味もあり、営業日が多い=売上が伸びる という理屈にはならないのである。「もうそんな時代じゃないんだって」と水産の若手社員が嘆いていた。今回は水産が開いて失敗したが、青果が同じ過ちをすることもよくある。基本的に片肺は開いた方がバカを見る。揃って営業し、揃って休んだ方が吉。しかも、休市は多く設定したほうが求人に有利でメリット多し、というのが近年の常識になりつつある。だが、東西もバラバラ、青果水産もバラバラな状態が続いている。みな、全体最適をもっと意識すべきである。