怖い言葉だ「JPCZ」

久々のドカ雪

 先週末にやってきたドカ雪は久々にすごかった。土曜、日曜にかけて何度も何度も雪かきに追われた。ひどい降りの時はみるみる雪が高くなった。自宅前は10センチ程すぐに新しく積もり、それを雪かきしてはまた積もり…の連続だった。この寒波は「JPCZ」と言うらしい。日本語では「日本海寒帯気団収束帯」という。こんな言葉、絶対覚えられない。

その名は石川殺し?

 テレビの解説動画は、あたかも雪の雲軍団が石川県めがけて次々突撃してくるように見える。「JPCZ(ジェーピーシーゼット)」=「ジャパン(JP)のいシーかわ(C)の終わり(Z)」。つまり「石川殺し」の略だ。嘘だ。本当は「JPCZ」=「Japan sea Polar air mass Convergence Zone」の略だ。未来永劫覚えられない。

JPCZの仕組み

 理屈はこうだ。北から強い寒気が南下すると朝鮮半島でいったん東西にわかれる。ペクトゥ山などの高い山にぶつかって割れるためだ。その後、日本海側に近づいた時に再び合流する。日本海の海水温は比較的高いため、大量の水蒸気が供給され、雪雲が発達する。雲雲は筋状になり、長さは1000キロにも達する。この雲が連続的に流れ込むため、平地でもわずか数時間で大量の積雪となるのである。時に太平洋側でも大雪になる。

懐かしき四季折々の移ろい

 出どころは気象庁なのか報道機関なのか知らないが、〝数年に一度の強烈な寒気〟という表現をよく耳にする。やめてもらいたい。数年に一度がなぜ立て続けに来るのだ。言葉が軽く信用できない。ボジョレヌーボーなら笑って済ますが、気象情報は公的機関の言だろう。それとも、かつては数年に一度だったのに今は立て続けになるほど地球は異常な状態ということか。いずれにしてもこの「JPCZ」は言葉が覚えにくいことも相まって恐ろしさ、得体の知れない不気味さを感じる。夏の猛暑も冬のJPCZも要らない。四季折々、穏やかに移ろい行く日本の気候に帰ってきてもらいたい。