■週の概況 第9週 2/28(月)~ 3/5(土)
【全体】
長かった冬の寒さがようやく終わり、春の暖かさを実感できる週となる。各小売の売場は一斉に春モードへチェンジするだろう。厳しい寒さ、まん延防止措置等で世の中が停滞していただけに〝ひな祭り企画〟など華やかな演出を仕掛けてムードを変えたい。春らしい食材で需要が高まるのは豆類各種、春掘りのタケノコ、菜の花など。ひな祭りのちらし寿司向けに蓮根、キヌサヤ、木の芽、人参、しいたけ、しょうがあたりも売場の前面に出すとよい。
生産と流通に目を向けると、現状は冷え込みの影響で青果物の物量は少なめ、価格はやや高めの印象だ。だが消費も鈍いために全体に重たい雰囲気が続いている。今後気温が高まり、流通量は増大に向かうものの、数量・価格が顕著に変化するのはもう一週後ろにずれこむ見込みだ。物流では北海道からのコンテナが大雪による交通マヒで大規模に延着しており、玉ねぎを中心に品薄・高騰に拍車がかかっている。この週、順繰りに回復してくるとはいえ、しばらくは混乱が続くと思われる。
【野菜】
葉茎洋菜類では、ブロッコリーは低温の影響から前年を下回る入荷となる。レタスは茨城産の増加に伴い、価格は下げに向かう。葱は安定した数量で、価格は前年より安い。菜類では、小松菜は県内産を中心に微増傾向で単価が少し下げる。椎茸は寒さで入荷が減少するものの前年並みを確保。その他の菌茸類は安定した入荷が予想される。
果菜類では、胡瓜やキセラインゲンはひな祭りでの特売が入り、前年より高値推移が見込まれる。みつばは需要の高まりから単価は上げに向かう。トマトは愛知産の減少が続き、堅調な価格推移が予想される。反対にピーマンは安定した入荷から下げ見込み。春菊は群馬産が増量し前年並みの数量を確保する。
根菜類では、大根は千葉産の増量が見込まれ価格は下げ。蓮根は県内産主力の入荷だが前週までの降雪の影響で数量は少なく単価高予想。馬鈴薯は鹿児島産の需要が高く堅調な値動きとなる。玉葱は、北海道産の出回りの少なさと、荒天による輸送の乱れから前年を大幅に下回る量と大幅に上回る単価が確実な状況だ。牛蒡はピークを過ぎるものの、安定した数量と前年より安値の状況が続く。
【果実】
国内果実では、みかんは徳島産がメインの入荷となり、貯蔵品に切り替わって前年を下回る数量の見込み。苺は各産地ピークを迎えるが、前倒し傾向だったこともあり数量は少なめとなる。メロン類では、静岡産は重油の高騰と業務需要の低迷から入荷は少ない見込み。キウイフルーツはシーズン終了となる産地が出始め、数量が確保しにくくなる。
国外果実では、バナナは国外での需要の高まりが続き、前年より高値となる。アボガドは前年より多い入荷だが、冷害から国外での出回りは少なく、高値推移となる。