■週の概況 第10週 3/7(月)~ 3/12(土)
【全体】
2月が寒かったせいで野菜は後続産地がやや出遅れている。そのため出荷数量はやや少なめで全体的に相場は堅調だ。週の前半はこの流れを引き継いだスローペースとなりそう。しかし週の中ごろから気温が高まり、量は回復してくる見込みである。消費面も果菜類への需要が伸びてくるだろう。週の後半になるほど数量の増加が顕著になり、単価安に転ずる品目が多くなる。まん延防止措置の解除が延長になってしまい、春休みの時期を迎えても人通りは少なく業務筋は依然として厳しい状況が続く。残念ながら野菜の引き合いはパッとせず、いましばらく我慢の時期が続くことになろう。
果実は全体に数量が少なく単価高傾向が続いた。その原因は、柑橘類においては夏場の高温による生育不良がずっと尾を引いたことにあり、これから先も同様な流れを強いられる。イチゴは1番花と2番花の切り替えの谷間が長引き、数量少なく単価高だった。ようやくここにきて2番のピークとなり、気温上昇とともに3番にスムーズにつながっていく見込みから、今後は潤沢で安価となり、一回り小さいサイズの比率が多くなると思われる。
【野菜】
葉茎洋菜類では、レタス・ブロッコリーは順調な生育から増量傾向で、価格は下がる見込みだ。キャベツは春系、冬系品種の増加から単価は下げに向かう。菜類では、ほうれん草・小松菜は九州産地を中心に数量が伸びてくる。反対に、菌茸類で、えのきが作業の遅れから減少傾向となり、価格の底上げが予想される。
果菜類では、胡瓜は特売需要の落ち着きと数量の増加から、単価は一段下がり前年並みに落ち着くだろう。茄子は各産地で生育良好で、前年並みの数量へ回復する。ピーマンは潤沢に出回り、価格は前年より安値に転じる。
根菜類では、大根は千葉産を主体に順調な入荷。反対にかぶらは県内産は終盤に差し掛かり減少し、単価は上げる見込みだ。蓮根は平年より少なく高値での推移が続く。甘藷は県外産地の入荷が少なく、価格は上げに向かう。玉葱は北海道産の残量少ない為、引き合いは強く相場は続伸し、過去に例のない高値となる。
【果実】
国内果実では、みかんは徳島産を中心に順調な数量が見込まれる。りんごは青森産のサンふじは前年を下回る入荷から高値が予想される。苺は数量が増加し、前年と比較して安値推移となるだろう。デコポンは露地物に切り替わるものの数量は前年を下回り高値基調が続きそう。メロン類では熊本産の入荷。赤肉系が徐々に増加し、青肉系は少し遅れての増量となる。柑橘類のファンにははまさき、文旦がお薦めだ。
国外果実では、バナナは依然として国外での引き合いが強く、高値推移が続く見込み。ぶどう類では、船舶の遅延が続き入荷にばらつきは見られるが、週後半には安定すると思われる。