馳浩石川県知事が誕生
石川県政史上に残る選挙が昨日行われ、次のように決着した。
当選 馳 浩 196,432
山野 之義 188,450
山田 修路 172,381
(他、2名の候補者は省略)
歴史に残る混戦
正直、馳さんは選挙戦終盤まで劣勢だったと思う。誰よりも先んじて出馬を表明をしたが、現職の谷本知事が不出馬を表明した後に山田さんが出る意思を固め、形成はわからなくなった。さらに金沢市長だった山野さんが急遽出馬を表明し、情勢は混沌とした。中央自民党のバックアップと著名人の支援が強力な馳さん、能登地区の行政・農協漁協・県議らを中心に組織支援体制が厚い山田さん、家族や学生・熱狂的支持者による独自のPR戦略を展開する山野さん。三者三様の個性と強みがあり、常に戦局は〝横一線〟と表現された。
最後の大逆転か
結果は激戦ながらも馳さんが勝利した。安倍晋三元首相を筆頭とする政界の大物の大挙来県は爆発力があった。石川の県民による県民のための選挙に中央からのてこ入れはおかしいとアンチ馳の反目も高まったが、結果的には大きな集票につながったと思う。一時は三番手にまで降格したと目されていた馳さんの大逆転勝利である。
市民の中にも溝が深まる?
保守分裂選挙で大きな話題となったこの選挙は、闘い終わってノーサイドとなればよいが、現実はかなりしこりを残すと思われる。候補者ご本人達より、応援した各陣営間の溝、そして支持した市民間の溝がかなり深くなるのではと心配だ。私は、お三方をよく存じているし、それぞれの支援者もたくさん知っている。敗れた側には感情的になっている人が少なくない。時にそれは勝者の人格を否定し、支持者への怒りを露わにする。県民性を貶める発言をする人も出る。一時の興奮なら良いが、谷本-石川の28年前の知事選を未だに根に持つ人もいるのだ。選挙は恐ろしい。これを機に普通に仲良かった人同士がぎくしゃくするケースも出てくるだろうう。
新知事への期待と敗れた方々への思い
新知事になられた馳さんには、純粋に石川のためを思って仕事に邁進していただきたい。代議士時代には数多くの法案を通された実行力ある方だ。わが中央卸売市場は金沢市の管理監督下であり、これまで県庁との協力体制は薄かったと感じている。馳さんは以前から市場に頻繁に足を運んでいただいた。今までより何倍も県政との距離が近い市場運営ができると希望を持っている。
そして惜しくも敗れた山田さん。ずば抜けた能力を持たれた方だ。このまま終わっていい人では決してない。国のため、石川県のため、農林漁業の振興のため、再び大きな仕事の場に戻ってこられることを心よりお祈り申し上げる。
山野さん。首長という行政トップの座がとても似合う方で、力になりたい、協力したいという思いを人に自然に思わせるオーラを持った人物だ。やはりこれからも責任あるポジションに就いて大きな働きをしていただきたい。
八方美人のようになってしまったが、以上は私の偽らざる気持ちだ。石川県の未来に希望を持つとともに、敗れたお二人の復活を心より願っている。