義父の表彰を受けて

石川県繊維協会役員功労表彰

 3月23日に石川県繊維協会の創立75周年記念式典が開催され、義父が「協会役員功労者」として表彰をを受けた。私は繊維業界に疎いので、この表彰の価値を正しく理解しているわけではないが、心からお祝いの意を表したい。

石川の繊維業界

 石川県は古くから日本を代表する合成繊維の産地であり「繊維王国いしかわ」と呼ばれた。義父の会社「能登織物」も羽咋の繊維関係企業の名だたる雄であり、最盛期はたくさんの従業員、女工さんを抱えて操業していたと聞く。しかしバブル崩壊後のグローバル化の進展により、地方の繊維企業は苦境に陥り、業界全体の地盤沈下を招いた。その時期の経営のかじ取りは、想像を超える苦労が伴ったことだろう。義父の会社は今はもうない。こうして表彰を受けることは義父のこれまでの歩みに光をあてることであり、大変有り難いことだ。人の労に感謝の意を捧げ賞するという行為は、人間社会にとってとてもとても大切なことである。

私は青果業界に貢献できるだろうか

 翻って私はどうか。これまでの私の歩みに青果卸売業界への貢献があったろうか。恥ずかしながら何もない。本当に思い当たらない。青果卸売業も斜陽産業と呼ばれる業界の一つだ。全体としては右肩下がりである。しかし、どこもが不振に喘いでいるわけではない。勝ち組・負け組がはっきりしてきただけである。自分が会社に貢献したならば、ひいてはそれが業界に寄与したことにもなろう。別に賞が欲しいわけではないが、このままでは終われない。自分にできることをせよ。義父の表彰を受けてそう感じた次第だ。