■週の概況 第16週 4/18(月)~ 4/23(土)
【全体】
一時は初夏を思わせるほど暖かくなったが、また寒さがぶり返した。連日、寒暖差がとても大きくなっていて、野菜はこれから基本的に増量が顕著となる。複数産地がかぶる品目についてはやや供給オーバー感が出て市況は低調にぶれるだろう。特にその傾向は葉茎菜類と果菜類に顕著となる。特別安いものも少ない代わりに高いものもなし。物量の拡大にまかせてやや軟調な週となる。ただし遠巻きながらもGWの需要をにらんでおり、第17週からは反転上昇となることを産地・流通業は目論んでいる。
果実は前週から大きな変化はなく、中心はイチゴ・デコポン・リンゴ+西瓜・メロンだ。加えて夏果実のさきがけとなる品目がちらほらと見受けられる。例えばサクランボ、完熟マンゴー、ビワなど。ハウス栽培で高価なためそれほど数量が出回るものではないが、果実売場を華やかにするには最適だ。輸入フルーツは港湾のコンテナ不足など物流面の混乱が長期化し、生産国内での自家消費にシフトするという構造上の問題があり、入荷数量減少・価格の高値基調が続く状況だ。
【野菜】
葉茎洋菜類は全体的にボリュームがアップし、潤沢感が増す。キャベツ、白菜、ブロッコリー、レタス等の重量野菜にその傾向が顕著で、価格は弱含みとなるだろう。菌茸類はGWに向けてやや強含む。特にこれまで低迷していたエノキが長野県産の減産により底上げを見せる。
果菜類はおしなべて増量傾向だが、寒さがぶり返して今のところ動きはパッとせず。特に異常なのがナスであり、「4月17日のよいナスの日」に向けて例年なら引き合い強く高値になるところ、今期は全国的に安値低調だ。イベントの効力はあるはずで、ここは拡販に利用してもらいたい。
根菜類は品目によりけりで、ニンジンは安値、大根は堅調。サツマイモはかなり動きが悪く、非常に販売苦戦だ。旬のタケノコは、県外産が終了に向かう一方、石川県産は増加する週で、今年は表年のため量はそれなりにありそうだ。ただし冷え込みがぶり返したために今は動きが悪し。この週は後半より温かさはが戻るため、一気の販売拡大に期待である。
【果実】
国内果実は柑橘類が終盤を迎え、スイカやメロン類が増加する。特に出遅れていたメロン類は種類、量ともに存在感が出てきて価格もこなれてくるだろう。イチゴはピークを過ぎたが潤沢であり、GWまで途切れず入荷する。桜桃やマンゴーなどは高級フルーツの位置づけで少量高価ながら徐々に増加する。
輸入フルーツは物流の混乱から不安定な入荷が続いており、基本的に品薄高値状況だ。その最たるはアボカドで、この週も強含みである。輸入果実の中心となるバナナの価格帯も高く、主力のフィリピン産の入荷が不安定なため販売が難しいところだ。台湾産パインは今季も入荷中だが、昨年のブレークは影を潜め、やや元気がない。