オレンジは猿捕獲に貢献
3月28日の本ブログ「猿とオレンジ」の続報である。結果発表。我が社が提供したオレンジB品に猿は…見事食いついた!そして何頭もの捕獲に貢献した。先日、金沢市農林局の尾川さんが来社され、感謝の意をいただいた。その際のお話がとてもおもしろかったので2回にわたってご披露する。
白山麓から溢れ出した猿の群れ
石川県において猿は元々、白山麓に住んでいた。それが増えてきて、押し出されるように街中に出没、農家の畑を荒らすようになった。現在、3つの群れが確認されている。内川地区、犀川上流地区(末町より上の地域)、湯涌地区の3つだ。群れはその近辺をグルグル回るように移動するという。時々、その群れからはなれて単独或いは数匹単位で行動する〝はなれザル〟なる輩も出るとのこと。昨年、大桑地区に出没し梨の果樹園を荒らしたのははなれザルであった。
行政の各担当課が駆除に乗り出す
金沢市における猿の農業被害は、一昨年がかなり甚大となり、行政が駆除に動くことになった。ただし勝手に動くことはできない。日本固有の動物は基本的に保護対象であり、クマと猿の駆除には県の許可が必要となる。申請を出し、上限の駆除許可数を与えられ、その枠内での捕獲作戦が実行される。ちなみに、クマの駆除は金沢市の森林再生課、猿の群れは農林局農業水産振興課、はなれザルは環境課。動物の種類や出没形態によって窓口が違うのである。振興課の駆除実績は一昨年が67頭、昨年が80頭強でかなりの数に登った。
猪、クマ、そして猿
この結果、白山麓からはみ出てしまった猿軍団は、この2年間で大きく数を減らしたと思われる。しかし、放置してはまた増加に転じ、人界に被害をもたらすので、ここ2~3年が勝負どころらしい。ちなみに、近年はクマの市街地への出没、イノシシの大量繁殖が話題になっているが、イノシシは昨年の豚熱(トンコレラ)によってかなり減少したそうだ。その年の気候、災害、人間社会による環境破壊で動物の生態環境は大きく変化している。これからどんな事態が起こってくるのか、まったく予想できないのだ。
(②に続く)