荒木飛呂彦原画展「JOJO」

2年間の延期を経て開催

 金沢21世紀美術館で「荒木飛呂彦(ひろひこ)原画展 JOJO 冒険の波紋」を観た。先に東京・大阪で開催され、2年前の2020年に金沢で開催を予定されていたが、コロナで延期になっていたものだ。

高額な入場料

 『ジョジョの奇妙な冒険』は、最初数巻を読んだだけで挫折しており、世界観について私は全く知らない。たまたま休みで前を通りかかり、GWが明けて列がない状態になったので物見遊山で立ち寄っただけだ。入場料金は1600円。高っ!と思ったが入ることにした。これまで井上雄彦、永井豪、石ノ森章太郎など漫画家原画展を鑑賞したが、すべて素晴らしく、はずれがなかったからだ。

真向アート

 1600円の価値はあった。無知な私にも非常に見ごたえがあった。〝なんかわからんけどすごい〟ことが十分に伝わった。この展示会のため高さ2メートルの大型肉筆原画がずらっと並ぶ一角は壮観だ。作者の思い入れが半端ない。漫画という枠を飛び出し、完全にアートの領域であった。特に作者がキャラクターを使って描く「ポージング」へのこだわりは面白い。腕の角度、腰の捻り、背骨の曲がり具合が独特に不自然。この不自然さが画に主張を与える。舞台演劇にも通じるものだ。

グッズ販売所もこだわり満載

 21美の向かい、しいのき迎賓館ではオリジナルグッズが販売されていた。入場券の半券がなければ入れない。また一人1回でその日限りしか入れない。何度も日付チェックを受けた。営利目的のグッズ販売なのになんで入場規制なのか。よくわからんがスタッフも含めたこのこだわりがなんだかイベントに重みと本気度を与えていた。

原作への興味

 『ジョジョ』は連載35周年だそうだ。これを機に原作を読んでみようかと思った。