「野菜ソムリエコミュニティ石川」ご一行様をご案内

野菜ソムリエの皆様を案内

 本日21日、「野菜ソムリエコミュニティ石川」の皆さま10名が市場見学にいらっしゃった。私が案内役となり、朝の5時30分から7時まで市場内を見学し、青果物流通の理解を深めていただいた。フードショップはやしの代表で、金沢小売組合の監事でもある林正人さんから「案内役引き受けてよ」と依頼されたものだ。

野菜ソムリエコミュニティ石川とは

 野菜ソムリエは、日本野菜ソムリエ協会が認定する民間資格である。青果物の良し悪しを見定め、栄養・機能に精通し、料理法なども習得して、野菜の魅力や健康的な生活のあり方を世に発信する。その野菜ソムリエのうち、石川県で活動する人たちが任意で組織して日々スキルアップに努めているのが「野菜ソムリエコミュニティ石川」である。代表を務められるのが和多利さんで会計を務められるのが本田さん。お二人とも今日の市場見学にご参加されていた。

実はプレッシャー

 そういうわけで、今回の見学者は意識が高い。たぶん栄養や調理になると私が圧倒的に負ける。質問が出たら答えられるだろうか…。内心大きなプレッシャーを抱えて当日を迎えた。

あっという間の1時間半

 1時間半という時間は、研修にはよくありがちの手ごろな時間である。これ以上長いと聞く人の集中がもたない。ただ、市場見学というと売り場を練り歩くことになり、90分も歩き続けると一般の方はくたびれ果てる。だから1時間半コースは通常、半分現場見学、半分座学とする。今回もそうするつもりだった。ところが、実際はほとんどを現場で費やし、座学に用意した資料を説明する時間はなくなった。これはまさしく意識の高い相手ならではの結果だ。売り場で何かを一つ説明すると、すかさず質問が二つ三つ返ってくる。学校の授業で「しゃーなし」で来る学生とはわけが違う。〝次は何を説明しようかな〟とこちらが迷う必要はなく、向こうからどんどん聞いてきてくれるので、ある意味こちらは楽なのだ。1時間半、きっちりお相手ができたかなと思う。

北国青果の樋下さん

 仲卸で野菜ソムリエでもある北国青果の樋下(ひのした)さんも、最初から最後まで同行してくれた。樋下さんが専門のトマト売り場では、現物サンプルをふんだんに見せながら商品の多様性を教えられた。普段は売り手と買い手の間柄である仲卸業者さんとこうして同じ立ち位置で市場アピールをするのも新鮮な刺激であった。

野菜ソムリエとの協力体制やコラボが必要

 情報発信という点では野菜ソムリエの方々は大変すぐれた資質を持たれている。中央卸売市場は塀に囲まれた閉鎖的空間だ。今後は市場からの発信をもっと拡充するべきである。ならば、野菜ソムリエのような方々に協力してもらうことが有効であろう。閉鎖的にならず、オープンになって、市場関係者も人脈を広げていかねばならない。それが野菜消費を促進する近道に違いない。