映画レビュー:トップガン マーヴェリック

第1作目の思い出

 第1作の時、私は24歳。芝居に一番ハマっていたころで、成り行きで振り付けまでやっていた。トップガンの音楽はどれも名曲揃いで、特に有名なインストゥルメンタルに私は振り付けし、公演にダンサーを募集する際のオーディションの課題に使った記憶がある。第1作はとてもシンプルな映画だったが、飛行シーンの迫力、トムクルーズのカリスマ性、楽曲の素晴らしさで、何とも痺れる格好良い映画だった。

第1作の試聴は必須

 そして、36年ぶりの続編である。私はアマゾンプライムで第一作を見直してから映画館に行った。これは正解だった。第1作で死んでしまった相棒グースの息子・ルースターとのぶつかり合いが今回のテーマである。そして、第1作のテーマは親友を死なせて自信もプライドも失ったマーヴェリックが復活するのがテーマである。36年という月日(劇中の年月はそれより少ないが)を経ても第1作の肝は第2作にダイレクトに継承されている。

第1作の踏襲

 本作は、第一作の印象的なシーンを次々と踏襲する。母艦からの離着陸シーン、酒場での出会い、訓練でのドッグファイト、第1作がビーチバレーで第2作はアメフトで興じ、恋人とのデートからベッドインまではまったくの焼き直しと言って良い踏襲ぶりで笑ってしまう。そしてシチュエーションは違えどクライマックス(と思われた)爆撃ミッションのスリリングさ。悪く言えば「第1作のまんまじゃん!」という映画だ(と思われた)。

踏襲の後の真の肝

 だが、ここから先のオマケが凄かった。いやオマケというのは明らかに間違いで、ここから本作の真の肝だった。墜落脱出して、二人でF14を奪い、F14で敵の第5世代戦闘機を撃墜。弾薬切れでもうダメと思われたところにルースターのライバルが最後に救う。そしてラストまた第1作の踏襲に戻って、チームメイトの大歓声に迎えられるフィナーレだ。

同い年、トムクルーズのかっこよさ

 見終わっての感想は一言、つっこみどころは満載ながら文句なし娯楽超大作であった。 アメリカ映画らしいご都合主義(大切な人の命は何物にも代えがたいが、敵側の命は情け容赦なく奪いまくる…)はこの際目をつぶるしかない。 もうとにかくトップガンはシンプルで面白い。ひたすらトムクルーズ格好ええ!という映画なのだ。恐るべき59歳。なんと!私と同い歳ではないか。私は彼を見習って、明日からジム通いすることにしよう(笑)。