金沢すいかと橋田組合長

大玉・小玉揃ってのセレモニー

 本日、金沢市産の大玉すいかの初販売を迎えた。金沢における園芸作物トップの産出額を誇るのがこのすいかである。打木安原地区が中心地であり、粟崎五郎島の小玉スイカと並んで「金沢そだち」というブランドになっている。この日は、約1週間前に始まった小玉すいかとともに、シーズンスタートのセレモニーが行われた。大玉の代表者として副部会長の戸水さんが、小玉の代表者として部会長の元林さんが挨拶をされた。大玉のせり販売では、「金」「沢」の字が入ったプレミアム級が特製木箱に入って販売され、ご祝儀価格15万円でせり落とされた。せり落としたのは最近すっかりお馴染みとなった「HORITA(堀他)」の松崎氏である。(毎度、生産者の励みになる価格を出してくださり本当にありがたいことである。)

橋田組合長の名演説

 セレモニー冒頭では、加賀野菜や金沢そだちの初せりで名物となった「金沢市農協・橋田組合長の名演説」が繰り広げられた。「待ってました〜!金沢すいか〜!栄養満点!甘さ最高!誰もが大好き〜金沢すいか〜!」の調子が延々10分間続いた。この素晴らしいパフォーマンスに対して、正対する仲卸小売軍団は、なぜそんなに無愛想なん?と突っ込みたくなるほどの無表情で迎え撃つ。彼らに悪気はない。シャイなのだ。演説する橋田組合長のハイテンションと、受ける仲卸小売側のローテンションの妙なバランスが面白い市場の風物詩であった。

今までのご尽力に感謝

 そんな風景も、これが最後となることが発覚した。橋田組合長は、6月末に予定されている総代会を持って組合長を退任されるそうである。大変残念なことだ。組合長は、元々園芸畑ではなかったので、野菜や果物について知識がある方ではなかった。だが、とても謙虚で優しいお人柄であり、金沢の農産物に対するPRには誠心誠意、いつも全力で臨まれていた。加賀野菜の会合では気を遣ってくださり、必ず私に話を振って下さった。金沢マラソン前夜祭では、ミーハーな私に付き合ってくださり、有名人との記念撮影にともに突進して下さった。偉ぶらず、誰からも親しまれる方だった。これも卓越したリーダーシップのあり方と思う。残念ではあるが、今までのご尽力に深く感謝申し上げなければならない。

大変お世話にもなり、また、多くを学ばせていただきました。ありがとうございました。