給食中止のキャベツについて

新聞、テレビでちょっと話題になったローカルニュースがある。
新型コロナウイルスによる臨時休校で、行先のなくなった契約栽培のキャベツが金沢市鞍月の飲食店の店頭で販売され、1100玉が完売したというものだ。
農家さんは白山市の「くらた農産」。
うちの会社にも出荷されている荷主さんであり、社長の倉田さんは真摯に野菜栽培に取り組む農家だ。
今回の件はJA松任が仲介し、飲食店「YON-DELI」が応えてSNSで告知したら多くの人が訪れ大量にさばけたものだ。1個100円で販売したという。
新聞には「こんなきれいで大きなキャベツなのに、100円は申し訳ないくらい」と買った人のコメントが載っている。

農家は助かる。消費者も気分がいい。
まさにWIN-WINに見える。
SNSをうまく利用するとこういうことができる。

実はわが社もJA松任さんからお話をいただき、わが社なりのルートでスーパーに同キャベツを販売した。
しかしそれは一向に報道されない。
ちょっとひがみたい気が正直あり(苦笑)。

なので以下はひねくれた物言い、イチャモンに聞こえるかもしれないがちょっとだけ疑問点を書く。
市場相場として、キャベツ1個100円は今、特別安いわけではない。
巷ではもっと安いのもたくさんある。
また、給食用の契約栽培だったと記事にあるが、横暴な量販店、業務筋であるまいし、契約金は入ってくるのではないか。休校は行政側の都合なのだから。
もちろんキャベツは要らなくなるから、行政側が所有を放棄すれば、街頭で売るのは自由だ。

これは決して文句を言っているのではない。
ただ私は心温まる美談とも思わない。
うまくやったなぁ、というのが率直な感想である。
そう思うのはやっぱりひねくれ者?