■週の概況 第15週 4/6(月)~ 4/11(土)
【全体】
新型コロナウイルスで世の中全体が異常な様相を呈する中、青果物流通は幸いにも大きな混乱なく維持できています。これは社会インフラとして極めて重要なこと。近隣県のスーパーや市場関係者にも感染者が出て、もはや完全に対岸の火事ではありませんが、正確な情報収集と迅速な危機対応によって市場流通を堅持することが何より大切です。
青果物は気候の変動で全体に数量を落とし、首都東京のパニック買いの余波もあって葉物を中心に値を上げましたが、比較的早期に落ち着きを取り戻した感があります。この週は平穏ならば保合もしくは弱保合の予想ですが、感染症の拡大とそれに対する政治判断により社会がどう変化するのかまったく予断を許しません。
【野菜】
葉茎菜類は、軒並み高値となりましたが、この週は反動で価格を下げる品目が多い予想です。ただし白菜、レタスなど、下げても平年に比べれば安くないレベルで止まりそう。異常高値をつけたキャベツもすでに大きく反落し、平準価格に落ち着いた感あり。ネギは端境期で少量高値となりましたが、これも反動でこの週は下げる見込みです。菌茸類は減産体制となり入荷少なく値段は底上げします。
果菜類は天候不順のため予想数量を下回る入荷が続きました。今後は天気も回復し増量傾向ですので、この週は保合もしくは弱含みですが、平年比では堅調な価格をキープすると思われます。
根菜土物類は品目によりけりで、大きく値を上げた大根は増量で反落の見込み。筍はいよいよ地物も出てきて本格化しますが、各産地生育スピードが早く例年より太物が多い展開です。数量増から価格は下げる見込みでいよいよ量販期。ただし今季は生育が早い分、切り上がりが早いのではと言われています。ここ1~2週が山場かもしれません。
【果実】
国内果実では、中晩柑類としてデコポンを中心に紅甘夏・清見・サンフルーツ・カラマンダリンなどが出揃いますが、今季の特徴として切り上がりが早さが指摘されています。いちごは前週なみに順調な入荷見通しです。国内果実でコロナウイルスの影響を一番受けているのはアールスメロンで、業務需要が低迷しているために引き合い弱く安値傾向です。りんごはサンふじ終盤で残量少なく、高価格帯で強保合です。
輸入フルーツは、コロナウイルスによる産地人員の移動制限、物流の縮小から不安定感が増しており、総じて数量減の単価高傾向です。特にバナナはひっ迫感が強まり、今後もより一層の原価上昇は必至。今までは踏みとどまっていたパインも今後は高含みです。比較的安定しているのはシトラスで、3月中に浜に入った在庫は潤沢なので当面は大丈夫。新しいところではNZ産キウイが始まり、作況は例年通りですがコロナの影響で産地の人手確保に難があり、物量は不透明です。