また本屋さんが閉店した

金沢市大桑にある本屋「KaBos金沢大桑店」が4月19日をもって閉店することになりました。
大変残念です。
今日行ってみたら文具が50%オフで売っていて、さすがに棚はすきすき状態になっていました。


この書店はとてもよいお店だと思っていました。
店内を歩き回っているだけで、買いたい本がいっぱい出てくるのです。
おお、こんな本があるんだ、あらこれは面白そうな本だ、など新たな発見が必ずあるのです。
これは店の本の選び方、見せ方が良いからに他なりません。
特に2階はマンガ・ゲーム・音楽・ホビー関係が固まっていて、サブカルチャー好きの若者の聖地のような場所でした。
流行っていると思ってたんですが、昨今、書店経営はやはり厳しいということなのでしょうか。

私は地元の書店「うつのみや」さんの社長さんをよく知っているので、Amazonで調べてうつのみやで買う、というのが本を買うときの基本スタイルです。
しかし、本のチョイス、店のディスプレイや店員さんの質は、勝木書店の方が上と内心思っていました。
(うつのみやさん、ごめんなさい。でも更なる向上を期待してます。)

「KaBos」は福井県の「勝木書店」が経営する本屋です。
福井を中心に20店舗以上お店を構えます。
金沢にはつい1年ほど前まで「勝木書店 金沢泉野店」もありましたが、やはり閉店してしまいました。
この泉野店もいいお店でした。
やっぱり店をうろうろするだけで何冊も欲しい本が見つかるような内容でした。

街の本屋が店を閉める。
これは寂しいことであると同時に、実は社会にとって危機的現象ではないかと思ってしまいます。
目的買いならAmazonでもいいのですが、書店で本を手にとりパラパラめくる行為が自己の感性を刺激し、興味の幅を広げ、ひいては教養に深みをもたらすのではないでしょうか。

うちの会社の若手社員に、学生時代に勝木書店でバイトをしていた者がいます。
彼に聞くと、店内の品揃えやディスプレイは店舗ごとに勝手にやっているのではなく、勝木書店本部からしっかり指導があるのだそうです。
全店統一されたテーマ性があるということでしょう。

勝木書店そのものは福井で今後もしっかり営業されることでしょうが、返す返すも残念です。
名残惜しい気持ちもあって、本を1冊買いました。
藤原正彦著「本屋を守れ」 (PHP新書)

本屋は国力の礎だそうです。
本当にそう思います。