青果物の週間情報 【2020-W16】

■週の概況 第16週 4/13(月)~ 4/18(土)

【全体】
 新型コロナ問題は日を追うごとに深刻さが増しています。7都道府県への緊急事態宣言は火曜日に発令されました。その3日後金曜日のニュースで、人口10万人あたりの感染者数は金沢市13.7人で東京よりも悪いという調査結果が報道されました。そして本日、石川県は独自に緊急事態宣言を出しました。前例のない非常時に入ってしまったと言えます。
 「今のところは」という但し書き付きですが、青果物流通は幸いにも順調です。生産・物流に大きな問題がなければ、野菜は気温の上昇に伴っての増量をみて、保合もしくは弱保合となります。ただ雨や低温で思ったほどには増え方が穏やかで、平年比としては相場は高めです。
 外出自粛で人々の巣ごもり傾向は拍車がかかっていますが、一方で必需品の買い物だけは生活のために必須の行動であり、スーパーや量販店への人出はそれなりに活発で、野菜・果実ともに一般的な品目の動きは悪くありません。なんせこの非常時の一番の不安定要因は消費者心理であり、突発的にパニック買いによって価格の乱高下が平時よりも起こりやすいことに注意してください。

【野菜】
 白菜、キャベツ、ほうれん草、小松菜などは、消費者心理の影響を最も受けやすく、短期的な価格の乱高下が起こりやすい状態です。葉茎菜類ではブロッコリーが高値基調です。原因は前段産地の切り上がりが早く、後段産地が追いついていないことです。
 果菜類は気温が締まって想定より増量ペースは上がらず、堅調な価格帯をキープしてきました。今後は各品目で徐々に増量となり、価格も穏やかに下げるのがパターンです。
 大根、人参はこの週は雨の影響でやや出荷の谷間に入る可能性があります。蓮根・甘藷は残量厳しく数量不足による上げ。馬鈴薯・長芋は動き好調です。旬のたけのこはこの週には早くも九州産は切り上がる見込みで、地物中心に潤沢な入荷販売を見込みます。

【果実】
 国内果実の生産動向はほぼ平年並みです。ハウスのサクランボやマンゴーなど、例年ならとても高価な品目が安いのが今期の特徴です。これもまたコロナウイルスの影響で、食材も不要不急のものは敬遠する心理が働くからと思われます。反面、引きこもりに疲れた消費者がせめて買い物くらい楽しみたいと、普段買わなかったものを手にとるケースも増えいており、例年より安値の高級フルーツは今後動きが良くなる可能性があります。りんごはサンふじがこの週で終わり有袋ふじに切り替わります。
 輸入物はマンゴーなどエアー便で運ばれる品目の値上がりがひどくなっています。航空便の運賃が急騰しているためで、原価の上昇に直結しています。国産のキウイが終わって今後はNZ産一色となりますがまだ2週ほどはゴールドのみの入荷です。