その商品、嘘ではないけどどうなんだ

面白い、と言ったら語弊があるが、
新型コロナウイルスのせいで、色々なものが次から次へと脚光を浴びて、長期的・短期的に品切れとなる現象が起こっている。
不動の主役はマスク。
マスクがないので、ガーゼやオムツや生理用品が売り切れになった。(今はどうなったんだろう)
トイレットペーパーは今でも品薄気味だ。
備蓄できるカップ麺や冷凍食品が売れた。
お米も飛ぶように売れた。
今は巣ごもりに飽きてきて、こだわりの美味しいものが好調らしい。
短期的に流行り廃れがあるのだ。

マスクが品切れの横綱なら、大関はアルコールだ。こいつも店頭から消えて久しい。
そして小結格が除菌ウエットタオル(ティッシュ)か。
しかし、こいつは最近、結構チョロチョロと見かけるようになった。
先日も某量販店に「入荷しました!」と山積みになっていたので、1個99円のやつを10個買った。
家のテーブルや会社の机やパソコン、車のハンドルなどを拭き拭きしている。
袋には「除菌」「ノンアルコール」と書いてある。

ん?
ノンアルコール?

テレビで専門家がコロナ対策として言うのは、手洗いの徹底とアルコール消毒だ。
ノンアルコール、、、でも除菌、、、。
コロナにも、、、効くよね?

不安になったので、ネットで調べてみる。
と、医師が質問に答える形のサイトに「ノンアルコールタイプのものは、身の回りを清潔に保つには効果的ですが、コロナウイルスを死滅させることはありません」とある。
そうだったのか。

この商品における除菌とは、拭いて菌を除くという単に物理的な意味なのか、或いはコロナは殺せないけど殺せる菌もあるという意味なのか判然としない。
でも、多くの消費者は、コロナウイルスから身を守るために買っている人が大多数のはずだ。少なくとも私はそうだった。
ならば、「除菌」とうたって、買わせるのはどうなんだろう。
嘘ではないかもしれないけど、どうなんだろう。
「ノンアルコールタイプ (コロナウイルスを殺菌する効果まではありません)」
と書くべきじゃないだろうか。

ちょっと近いものに「次亜塩素酸水」がある。
これは、まだ期待は持てる。
アルコールと次亜塩素酸ナトリウムがコロナに効果的なのは立証済みらしいが、「ナトリウム」ならぬ「水」になるとまだ検証は終わっておらず「おそらく効果はあると推察される」にとどまっている。
ただしバンバン売られている。
手元にある商品には「総合除菌水スプレー 99.99%除菌」と書いてある。

嘘ではないのだろう。
でもどうなんだろう。
「次亜塩素酸水(コロナウイルスを殺菌する効果があると推察されています)」
と書くべきじゃないだろうか。

消費者の勘違いを期待して商品作りをしているわけではない、というメーカーの良識を信じたい。