大きな驚きであり、とても残念なニュースでした。
地元情報誌の出版社の事業停止。
「Clubism」、「金澤」はグレードの高い月刊誌でした。
新聞によれば、月刊誌の売り上げは15%程度で、大部分が広告料とイベント企画斡旋料であり、今回のコロナウイルスによりイベントはなくなり、広告を出す企業もいなくなったために急激に経営が悪化したとのことです。
社長の山田元一氏を私は敬服しています。
とにかく情報量がすごい方。
そのベースとなる読書量たるや私が100人いてもかないません。
私は密かに心の中で山田さんのことを「金沢の知の巨人」と呼んでいました。
何度か講演を聞かせていただき、情報量と分析力のもの凄さに圧倒されました。
大雪の日、金沢市泉野出町にある金沢倶楽部本社にお邪魔したことが思い出されます。
「ちょっと話を聞かせてもらいたくて。1時間ほどお時間いただけませんか」と山田社長からお電話をいただきました。
「あ、それなら私がそちらへ参ります」「いやいや、当然わたしが伺います」「いえいえ、実は私、金沢倶楽部を前々から一度見てみたいと思ってたんです、お願いします」「そうですか?では御足労かけます。お待ちします」ということで私が出向いてお話しをしに行った・・・はずでしたが、ほぼ9割は山田社長が話をされ、私は聞き役に徹したという思い出あります。
1時間と言ってたくせに、3時間ほどかかったような。
これは私にとっては光栄で贅沢な時間でした。
そんな方が経営する情報出版社です。
本当に衝撃であり、残念であり、また恐ろしいです。
それほどまでに新型コロナウイルスは社会を破壊するものなのかと。
金沢倶楽部の社員さんで、お稽古ごとの兄弟子に当たる方もいらっしゃいます。
妻の知人の旦那さんも社員さんです。
新聞によれば46人の社員は全員解雇とのことです。
なんとか力になれることはないでしょうか。
この会社の破綻は、文化都市金沢では起こってはならなかったこと。
でも、山田さんがどこかでまた復活の狼煙を上げることを信じています。
それほど貴重な方です。
天は時に過酷な配剤をします。
が、もし人の能力がそれに抗しえるものであるならば、山田さんは必ず復活されることでしょう。
私はそれを待っています。