社会保険労務士の三井敏彦先生にご来社いただきました。
会社の給与体系を成果主義を核とした新しいものに変えるべきかどうか、専門家の意見を伺おうとお呼びしたものです。
成果実績に応じて報酬を定めるやり方は、何となく合理的っぽい感じ(この表現からして私の無知バカっぷりが露呈しています)がするので、三井先生は賛成してくださると予想していました。
しかし、結果はまったくの逆。即座に否定されたのです。
「給与は社員に対し(少ないと)不満足要因になりますが、(多くても)満足要因にはなりません。完全成果主義を導入しても社員のモチベーションには繋がらないでしょう。原点に帰って、この会社の存在価値は何なのか、なぜ我々はこの会社に入って頑張っているのか、を幹部が部下に伝えることこそ大事でしょう」
労務関連のあらゆる法律・制度に精通している方から出た答えが働くことの意味。
「君たち、企業理念はちゃんと持っているかい?社員にちゃんと浸透させているかい?」
と問いかけられたようで、はっとさせられました。
旧態依然の年功序列制度がいいとは思いません。
かといって成果主義一辺倒にも無理があります。
大事なのは会社が健全に回ることと社員一人一人の納得があること。
先生からは「ダメ」が出た言わばゼロ回答になったわけですが、とても意義あるお話だったと思います。