新型コロナウイルスの感染拡大で緊急事態宣言がなされ、石川県はさらに「特定警戒都道府県」にも位置付けられています。
10万人あたりの感染者数は東京に次いで多く、特に金沢、野々市の感染者率が全国トップクラスです。
石川県では石川県緊急事態措置を発令し、遊興施設、学校、運動施設、劇場、集会場、博物館や図書館、生活必需品でない商業施設に対し休業要請をしています。
一方、社会生活を維持する上で必要な施設は、適切な感染予防対策を講じた上で休止を要請しないことになっています。
病院、食料品店、コンビニ、スーパー、ホームセンター、ガソリンスタンド、洋服屋、酒屋、本屋、家電用品店、飲食店、喫茶店、宿泊施設、交通機関、工場、銀行、理髪店、社会福祉施設、そして卸売市場。卸売市場は、はっきり明記されています。
というわけで、当然ではありますが、我が会社は休止しません。
青果物の安定供給のため、あらかじめ定められた市場カレンダーのとおりに開場・販売がなされています。幸いにも全国の生産地、地域の小売店も休まず稼働されているため、今までのところ大きな混乱なく商流と物流が回っています。
ただ、社内的には、もしできるならば、時短であるとか、テレワークであるとか工夫して、社員が普段より2割前後少なくなっても問題なく回ればいいなと思います。
それを社員に投げかけました。
各部署でできることを考えてみてね、と。
でも全く反応がありません。
社内を見渡しても、休みがないことに対する不満の声は聞こえてきません。
これはどうしたことでしょう。
①まあ、食品業界に勤めているのだから仕方ないと思っている
②我々こそが社会を支えているのだという矜恃に燃えている
③本当は休みたいけど、口に出せない
たぶん100人もいれば①②③の全部があるでしょう。
で、③の人も確実に何人かは(あるいはかなりの数が)いる、ということを経営者は頭に置かなくてはなりません。
困ったことに(?)部長クラスは①か②であり、まあ働くことが当たり前だと思っています。当たり前なので部下がどう感じているか無頓着な者がけっこう多い。だから、時短や一部休業を打診しても、何か工夫できるかとはないかを考えようともしない。これはちょっと危ないことです。
スーパーマーケットはたくさんのパートタイマーを雇っています。
やはり、パートさんの中で「休ませてほしい」「しばらく辞めたい」と申し出てくる人は最近とても多いそうです。
不特定多数が出入りするスーパーでは感染する可能性が高い、と思うのは無理なからぬところです。
それでも稼働しなくてはならない。
だから人員を確保しなければならない。
スーパーさんの方が、卸売市場よりも人員確保は大変でしょう。
でも、同様に、卸売市場で働く人々の中にも、休みたいと思っている人は少なからずいるのです。
言い出しにくい環境はなんとか払拭したいところです。
そして私は、休みたい人は有給を使って休んでくれればいいと思っています。
が、社員とその件について相談したところ、このご時世で休んでもらうのに、有給を消化させるのは、休む側の心情としては釈然としない、という意見がありました。
つまり、出勤扱いとするか、特別休暇とするか、休業手当を支払うということですね。
ここらへんは難しいところですね。