青果物の週間情報 【2020-W21】

■週の概況 第21週 5/18(月)~ 5/23(土)

【全体】
 石川県は15日に緊急事態宣言が解除され、少しずつ世の中に再開の気運が高まっています。スーパーはチラシを自粛してきましたが、そろそろ打ち始める店舗が出てきました。しかし百貨店・飲食店・業務筋は、急に解除されても即座に動き出せるわけもなく、消費が末端から回復するにはまだまだ時間がかかることでしょう。
 青果物の入荷状況は概ね順調であり、一時は高騰していた白菜やキャベツも落ち着いた感があり、野菜で高値ひっ迫した、いわゆる”もがき”の品目はほとんど見当たりません。春夏野菜へと野菜の産地切り替わりが進む時季です。特に豆類やブロッコリー、ラッキョウなど地物の入荷が目立ってきます。

【野菜】
 葉茎菜類は高かった白菜・キャベツが大きく下げ、一般消費に向けては正常なレベルに落ち着いた感があります。ネギはまだ不安定ですが、傾向としては弱含みです。ほうれん草はまずまずながら小松菜が安値。これからの目玉はブロッコリーで、地物が今後次々と登場し、売場の主力となります。きのこ類は需要が次第に減少し、価格も下げ傾向です。
 豆類は産地の切り替わり時季を迎え、福島県産も始まって増量傾向。安かったキュウリは底上げの予想です。なす・ピーマンは例年よりやや安値感があり、トマトは更に一段の弱含みです。カボチャはメキシコ産が中心ながら品質やや不安定で、高値ながら鹿児島県産に期待が集まります。
 根菜類は比較的堅調で、大根・カブラは青森県産の出荷を控え今は少なめ。人参はスムーズに徳島⇒岐阜に移行しました。蓮根、甘藷は地物の切り上がりが早く、高止まり傾向です。土物類では馬鈴薯は数量が少なく強含み、まったく逆に玉葱は大きく安値低迷です。この週の末あたりに梅が始まる予定ですが、今年の作況は良くないようです。

【果実】
 果実では、例年より息の長かったイチゴもいよいよ九州産が終わってしまい、愛知県産の終盤を残すのみ。それに代わる一番手はアメリカンチェリーです。昨年より量は若干少なめですが、品質は良好で価格もこなれてくるでしょう。メロン類は愛知、茨城から種類豊富に増量をみますが、業務需要が動いていないので販売は苦戦中。例年より安値基調となっています。サクランボ、桃といった施設物は加温から無加温物への移行期にあたりますが、これまた業務需要の落ち込みから一般売りの相場は2割程度、平年より安いようです。NZ産のキウイは安定した入荷です。ゼスプリは今年からロゴが変わって販促資材も一新。キウイブラザーズのテレビCMもゴールデンタイムに流す気合いの入り様で消費の伸びが期待できます。