賭け麻雀で辞任した件

東京高等検察庁の黒川検事長が辞任をした。
定年延長をめぐる検察庁法改正案、タレントら有名人によるSNS上の抗議、改正案の未送り、そしてドンピシャで炸裂した週刊文春の賭け麻雀記事。

黒川弘務氏の検事としての能力を否定する人はいない。
卓越して優秀な人物であると多くの人が認めている。
だから政府はルールをねじ曲げてでも登用し続けようとした。
このこと自体、会社レベルならばむしろ当然の処置、でも国家レベルだからアウトかな思っていた。特に1月に閣議決定した半年間の延長には無理があるなと感じていた。

ここからは私の私見による次元の低い話となる。

今回、よりによって、検事が賭け麻雀・・・。①
しかも、よりにもよって、相手が産経と朝日の記者・・・・。②
そしてくどいようだがよりにもよって、5月1日と13日にもやってた・・・・・。③

この①②③はみな面白い。

①から受ける印象はまずチョロさ。
賭け麻雀とパチンコはグレーな遊びの代表格だ。
ブラックではなくグレーな感じ。
市井の民がグレーな服を着ても私は全然咎める気はない。
でも検事はね。
中華料理屋のオヤジは、賭け麻雀はしてもいいけど、糞した後は手を入念に洗ってからチャーハンを作らねばならん。
検事は、糞した後は手を洗わなくてもいいけど、賭け麻雀をしてはいかん。
私の倫理観ではそうなる。
せめてもっと大それていて派手なスキャンダルだったらさすが大物と舌を巻いたのに。
検事長がたかが賭け麻雀で失脚するのはあまりに格好悪いではないか。
でも、それが人間というものか、という気も一方ではするのだ。
誰しも、人に言えない趣味とか、これを知られたら死んだほうがマシと思う秘密がないわけではない。

②は本当に面白い。
よりにもよって産経と朝日とは。
どうせなら、産経が2人ではなく、そこに野党の誰かでも入ってくれていたらもっとよく出来たメンバー構成になるのに。
皮肉ではなく、この人は本当に優秀な人だったんだなと思うし、ああ、この世界はズブズブなんだなということを実感できたし、本当にガチ?実は誰かがはめてない?とも思う。

③はおかしい。
この時期にやろうか、と思う感覚がおかしい。狂ってる。
そんな最近ではなく、数ヶ月前にやったのが最後だったとしても、文春砲はちゃんと炸裂し、黒川氏は辞任に追いこまれたろう。
だから③は余計であるし愚かなことだ。
いくら黒川氏が優秀な人物であるとしても、この一点でもって、私は評価を大きく下げた。

ところで、この賭け麻雀問題は、何が問題の本質なのか。
賭け麻雀が違法行為ということ?
この騒ぎの中でのモラルを問うということ?
あるメディアでは、三密の状態で卓を囲んでいたことも批判していた。
何でもかんでもかち込むんじゃない。
辞める方は辞めて終わりだが、責める方はそのへんを理解していないと、ただの追い落としになってしまう。