強者の流儀
著者:朝倉未来
発行:角川書店
2020年2月27日 初版発行
総合格闘家の朝倉未来(みくる)初の著書。
路上で喧嘩に明け暮れ、少年院にも入った不良少年が格闘技界のトップに上り詰めたという出自で注目されるが、人生哲学を語らせれば上辺でない言葉が次々と出てくる。
自分を客観的に引いて見ること、地道な努力の重要性、現実を受け止めること
これらが著者の実感として語られ、地に足をつけて生きてきたことが伺える。
以下、印象が強かった内容:
自分を客観視する、ということが強さにおける重要なポイントである。
敵を知り己を知れば百戦殆うからず
日常的なところであまり怒らない、動じないのが強さの証である。
パニックにならず、常に現状を修復するための策をどんどん考えていく。
常にポジティブにいようと心がける。それがネガティブな出来事を修復することに繋がる。
陰口を言うな。面と向かって言えないことなら、別の場所でも言うべきではない。
アンチ活動をするな。アンチ活動をする人間はその人の生活自体も悪環境になる。
格闘家としての強さは4つ。頭の良さ、基礎的な身体能力の高さ、努力の継続、意志の強さ。
真の自由には責任が伴う。
そもそも自分の根本的な目的は何なのか、ということを見極めることが大切。
第三者から自分はどう見えているのかを知る、意識する。
立場が上だということを理由に、人の意見を聞かず取り入れずという状態になっている人は、少なくとも成長が止まっている可能性が高い。
覚えたものを定着させる上で一番いい方法は、人に教えることである。
ストレスを感じる時、イライラする時は積極的に寝るようにする。
練習で重要なのは量ではなく質であり、そして継続。質の高い練習を長期にわたってできること。質を上げるには、シンプルで、無駄なことをしないことに尽きる。格闘技でいうと、試合の勝利に直接結びつかないことはやらない。ウエート、ランニングなど。
やるべきことが明確であり、何のためにやっているかを強く意識していれば、自ずと集中力は高まる。
苦しい時は、体を乗り物だと思う。「体の中にいる本当の自分は無傷なんだ」
本当に死んでもいいやと思えるなら、目の前の壁を必ず越えることができる。
もう一度立ち上がるためにだったら、思い切り休息したっていい。
宇宙の広さから見れば、地球は砂浜の砂の一粒に過ぎない。宇宙の時間感覚からすれば地球は一瞬の間に終わってしまうほど儚いもの。ならば「今を生きるしかない」。この現実を受け止めることが生きることだ。
自分の目標は公言した方がいい。公言すると邪魔をする人も出てくるが、助けてくれる人も出てくる。
200回やる。そうすれば何事もできるようになる。
自分に忠実な仲間がいる一方で、敵対的なメンバーがいると、企画の多様性が広がる。よってチームの陣容にはキャラかぶりを避けた方がいい。
堀鉄平「同じ会社で働いている人には幸せになってほしい。そうするのが生きがいだ」